2013年10月7日月曜日

TPP:政府が遂に「聖域」の関税撤廃を検討開始。

http://surouninja.blogspot.com/2013/10/japan-to-consider-the-elimination-of-the-untouchable-tariffs-on-tpp.html
TPP交渉でこれまでに「聖域」として関税維持を求めてきた農産品重要5品目(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖原料)について、政府自民党が遂に“関税撤廃”を検討し始めたようである。


「聖域」関税撤廃を検討 農産5品目 自民、TPPで - 東京新聞 2013年10月7日 朝刊
 【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=斉場保伸】自民党の西川公也(こうや)環太平洋連携協定(TPP)対策委員長は六日、TPP交渉が開かれているバリ島で記者団に対し、「聖域」として関税維持を求めてきたコメなど農産物の重要五品目について、関税撤廃できるかどうかを党内で検討することを明らかにした。 
<農業の重要5品目> TPP交渉で政府が関税維持を目指しているコメ牛・豚肉乳製品砂糖の原料になるサトウキビなどの甘味資源作物を指す。

TPP「聖域」撤廃検討 苦渋の政府・与党判断 農業関係者「信じられない」 - 産経新聞 10月7日(月)7時55分配信
 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、政府・自民党が農業の重要5分野の関税を維持する従来方針から転換したのは、交渉の前進に向け「聖域」に切りこむ苦渋の判断にほかならない。だが、突然の方針転換に農業団体からは「にわかには信じられない」との声も上がり、国内の反発は避けられない。
 各国の利害がからむTPPの関税交渉は、現時点で2国間の話し合いが中心だった。だが、日本は「聖域」のコメや麦、牛・豚肉をはじめ、これまで関税を維持した分野を、全て「撤廃対象外」と提示した。関税をなくす割合を示す貿易自由化率は日本の場合、80~90%弱と低い。

まぁ予想通りの展開である。

今の日本経済において、外貨の稼ぎ頭である「自動車産業」と補助金漬けで構造が腐敗している「農業」の何方が重要であるかは、最早議論の余地も無い。ここで農産品の聖域を守るということは、即ち、自動車産業を中心とした国内の輸出産業を日本から追い出すことに他ならないからである。実際、それは現在進行形で行われている。

一握りの一次産業従事者よりも、二次・三次産業従事者の雇用を守ることを政府が優先することは、民主主義的には決して間違ってはいないだろう。

日本の輸出産業が頑張れば頑張るほど貿易黒字と円高が加速するのは、官僚主導で作られた“非関税障壁”が日本の輸入を阻害しているためであると考えられる。日本人の労働者に日本円で給料を支払う必要がある輸出企業は、稼いだ巨額のドルを定期的に円転せねばならない。だが、奇妙な輸入規制の多い日本では抑々(そもそも)ドルの需要が少ないため、その都度円高が大幅に進んで逝くのである。それは国内の輸出産業が自らの競争力を自らの手で削いでいるに等しい。国内の輸出産業が海外に生産拠点を移すという行為は、これを回避するための合理的な選択なのである。

日本では官僚主導政策の下、非関税障壁を乱立させて輸入を減らしてまで、非効率で強欲な産業を必死に守っている。だが、これを俯瞰的に見れば、補助金漬け農政のツケを日本の消費者が世界最高水準の物価で支払わされていることに他ならない。

補助金と圧力団体に依存した産業が国益を損ねるだけの存在であることは、誰にでも分かることである。そのような腐敗した産業の中の人たちもそれを分かっていて見て見ぬふりをしてきたのだと思うが、それは決して持続可能なことではない。

どうも社会主義的構造を引き摺り続ける日本社会には“創造的破壊”が足りないように思えるわけだが、デトロイトをサクッと捨てた米国を日本も見習うべきではないだろうか。

消費税増税という円高・デフレ政策を決定してしまった以上、円高を抑制する有効な手段は“輸入促進”の他には考えられまい。


【関連リンク】

2013年8月26日月曜日
TPP反対派が理解しておくべき「補助金」の話。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/08/tpp-propaganda-by-japan-agri-coop.html

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