2014年4月13日日曜日

医療制度改革:バケツの穴に気づかぬフリする厚労省。

http://surouninja.blogspot.com/2014/04/health-care-reform-to-ignore-a-hole-in-the-bucket.html
厚労省が11日(2014年4月11日)、入院患者の食費の自己負担額や初診に係る負担を大幅に引き上げることを検討しているとのことである。

大病院初診「1万円」案も検討 医療制度改革で厚労省

共同通信 2014年4月12日 02時00分 (2014年4月12日 04時04分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/health/20140412/Kyodo_BR_MN2014041101002026.html

 厚生労働省は11日、入院患者が医療機関に支払う食費の自己負担額(1食当たり原則260円)を大幅に引き上げる方向で検討に入った。全額自費の在宅患者との公平性を図る狙いがある。
 混雑しがちな大病院の外来についても、軽症患者の受診抑制を促す。紹介状がない場合、初診時に通常の窓口負担とは別に一定額の支払いを求める方向だ。政府の社会保障制度改革国民会議の議論では、1万円を徴収する案が出ていた。

軽傷患者の受診抑制が目的とのことだが、その目的を達成するために最も重要な部分が抜け落ちている。それは、現在医療費負担もゼロで健康保険料(税)も一切負担していない、生活保護受給者への切り込みである。日本の社会保障負担を深刻なものにしているのは、実は、目下急増中の生活保護受給者である。

生活保護制度は今や“逆差別”状態となってしまっている。生活保護受給者以下の収入で働く人々は地方では珍しくないが、彼らは受給者の“医療費タダ”を支えるため、収入に比して余りにも重すぎる健康保険税を負担する一方で、その高い保険税負担と医療費のために病院に行くことを躊躇わざるをえないという状況に陥っている。

低所得者にとって今や健康保険が本来の目的を為しておらず、最早タダの“罰ゲーム”と成り下がっているのである。今本当に救済されるべきなのは、実はそういう普通の低所得者たちではないだろうか。

生活保護受給者:転院繰り返し 医療費過大支払い横行

毎日新聞 2014年03月19日 19時57分
http://mainichi.jp/select/news/20140320k0000m040059000c.html

 生活保護受給者が病院間で不自然な転院を繰り返し、公費から初診料などが過大に支払われる事態が横行していることが、会計検査院の調査で分かった。1年間に20回近く転院する受給者もおり、検査院は厚生労働省に是正を求めた。

生活保護は医療費に切り込め

2014/1/19 3:30
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO65532700Z10C14A1PE8000/

生活保護の受給者は病院窓口での自己負担がない。過剰な投薬などにつながるとの指摘があるが、見直されなかった。本人の健康のためにも問題だ。費用の一部でも負担する仕組みを検討すべきではないか。負担した後で本人に還付する方法も考えられよう。

おそらく厚労省は、貴重な天下り先である病院や関連団体に配慮して、この重要な部分をスルーするつもりなのだろう。生活保護者の医療扶助は、病院にとって最も美味しい利権である。そこに切り込むということは、官僚たちにとって自らの首を締めることに繋がりかねないのである。

厚労省は今後も健康な国民に負担を押し付けてお茶を濁すつもりだろうが、もしそのような仕組みは持続可能なのだとしたら、ソ連は今も崩壊していなかっただろう。

“医療利権”は、安倍政権が「第三の矢」で切り込むべき最も巨大な2つの利権(医療、農業)の1つである。ここに切り込めずして、国内外の投資家にアベノミクスを期待させるのは到底無理な話である。

ちなみに、日本医師会は、農協(JA)と組んで反TPPプロパガンダを垂れ流している中心団体である。

参考:
2013年8月26日月曜日
TPP反対派が理解しておくべき「補助金」の話。

社会主義的制度に寄生するこのような利権団体を延命させれば、安倍政権のTPP交渉の足枷にもなり、日本経済の成長も難しくなるだろう。もちろん、これらの負担を末端で被ることになるのは、我々納税者である。医療・農業利権に属さず、生活保護も受けずに暮らしている多くの国民にのみ、増税と社会保障削減の皺寄せが来るのである。