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2015年7月15日水曜日

イラン核協議:最終合意でイランの脅威は増し、中東には新たな軍事同盟が誕生するだろう

http://surouninja.blogspot.com/2015/07/Iran-Nuclear-Agreement-triggers-new-military-alliance-in-the-middle-east.html
国連常任理事国(P5)+ドイツとイランとの間で行われてきたイラン核協議は14日(2015年7月14日)、遂に最終合意に達したとのことである。

www3.nhk.or.jp/news/html/20150714/k10010150951000.html
イラン核協議 最終合意と正式発表
7月15日 2時16分

イランの核開発問題の解決を目指して協議を続けてきた欧米など関係6か国とイランは日本時間の14日夜、最終合意に達したことを正式に発表しました。今回の合意でイランの核開発は大幅に制限されることになり、核の拡散を防ぐ大きな一歩となります。

イランの核開発問題の解決を目指して協議を続けてきた欧米など関係6か国とイランは14日、オーストリアのウィーンで外相級の全体会合を開きました。このあと、関係6か国側の調整役を務めるEU=ヨーロッパ連合のモゲリーニ上級代表とイランのザリーフ外相が会見し、最終合意に達したことを正式に発表する共同声明を読み上げました。
合意の内容は

イランの核開発問題の解決に向けた最終的に合意された合意文書と付属書は合わせておよそ160ページにのぼります。その主な内容は以下のとおりです。

イランの核開発は15年間にわたって大幅に制限されます。このうち、ウラン濃縮に使われる遠心分離機は今後10年間にわたって、現在のおよそ1万9000基の3分の1以下にあたる6100基余りに減らすとしています。その一方で、ウラン濃縮の能力拡大につながる新型の遠心分離機の研究・開発について、一定の制限はあるものの、継続が認められています。
また15年間にわたって、濃縮度が3.67%を超えるウランは製造せず、現在保有している10トンの低濃縮ウランを、300キロにまで減らすとしています。さらにウランの濃縮活動は今後15年間、中部のナタンズの核施設に限定されます。中部フォルドゥにある地下深くに建設された核施設では濃縮ウランの製造が停止され、施設は研究関連用に転換されます。西部アラクの重水炉については核兵器に転用可能な兵器級のプルトニウムを生産できないよう設計を変更し、使用済み核燃料はすべて国外に運び出します。

イランが核開発を制限していることを確認するため、IAEA=国際原子力機関の権限が拡大されます。イランは未申告の核関連施設の調査や抜き打ちの査察を可能にするIAEAの「追加議定書」を批准し、すべての核関連施設にIAEAが定期的に立ち入ることができるようになります。協議の大きな争点となっていた、核兵器の開発疑惑があるイランの首都テヘランの郊外にあるパルチンの軍事施設については査察の対象となっているかどうか明記されていません。しかし、未申告の核物質の存在や核開発が懸念される施設には、IAEAは検証のための立ち入りを求めることができるとされています。イランとIAEAの意見が対立し、懸念が解消されない場合は、関係6か国側とイランで作る委員会が仲裁の役割を担い、必要な手段についての助言を行い、イランは3日以内に必要な手段をとることになっています。

イランが強く求めていた経済制裁の解除についてはIAEAがイランによる核開発の制限を確認した段階で、まとめて解除されます。その一方で、イランが合意内容に違反した場合は、65日以内に制裁を元に戻すことができます。また、イランやイランと関係の深いロシアが解除を求めていたイランへの武器輸出を禁じる国連の制裁措置については、協議の結果、防衛を目的とする武器については輸出入ができるよう制裁措置が緩和され、5年後には完全に解除されるとしています。

ある程度予想されていたことではあるが、このイラン核協議の合意の結果は、「欧米側の敗北」と言っても過言ではない内容となっている。その理由は以下でも述べた通り、この合意内容ではイラン核開発をせいぜい先延ばしにする程度の効果しか期待できないからだ。今後もイランにおけるウラン製造可能な原子炉や遠心分離器の約1/3は運用され続けるのである。

参考:
2015年4月3日金曜日
イラン核協議:枠組み合意でアカを利するオバマ。

ただでさえイランはイラクでの影響力を強めて中東での存在感を増しているというのに、核開発の潜在能力まで維持されるとなれば、イスラエルやサウジアラビアなどが危機感を持つのも無理もあるまい。

参考:
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20150714/Jiji_20150714X951.html
イスラエル首相「歴史的間違い」=イラン核合意
時事通信社 2015年7月14日 23時53分 (2015年7月14日 23時58分 更新)

 【エルサレム時事】イスラエルのネタニヤフ首相は14日、イラン核協議の最終合意について「世界にとって歴史的な間違いだ」と批判した。オランダのクーンデルス外相との会談で語った。

 首相は、対イラン経済制裁解除によって「イランは何千億ドルも受け取り、中東や世界での侵攻を増幅させることになる」と主張。引き続きイランの核武装阻止に向けて努力する姿勢を示した。

 また、この日夕の記者会見では、「イスラエルはこの合意に縛られない。われわれはいつでも自分たちを守る」と宣言し、イランへの軍事攻撃の選択肢も消えていないことを示唆した。

ただ、オバマ米大統領は以前から米軍の軍縮を志向しており、此れはある程度“想定の範囲内”だったとも言えるわけである。米国は今後も、中東などの米軍を縮小し、戦力を合理化していくだろう。それは中東のみならず、東アジアに置いても同じことが言える。この米国の動きに合わせ、日本も含む米国の同盟国は、自らの国を自ら守る努力を求められるだろう。

この流れの中で、中東では、イスラエルやサウジアラビアが近い将来、堂々と核武装宣言すると見ている。

参考:
2015年3月28日土曜日
サウジの韓国製原発導入は核武装のためのダミーか。

そして、東アジアにおいても、日本も核戦力を直接的または間接的に保有することになるだろう。それらの核武装は当然、米国の推奨ないし黙認の下で行われるのだ。

米国の同盟国は今後、軍事力を米軍に完全依存することなく、自立しつつも互いの能力を補完するために緩やかに連携する道を模索するだろう。米国の核というリーサルウェポンをバックに、通常戦では各国単独ないし同盟国同士が連携して自らの権益を守るという形である。それは近い将来、NATOのような軍事同盟が東アジアや中東にも誕生することを意味する。

参考:
2014年5月7日水曜日
集団的自衛権の議論はNATO加盟への布石。
2014年5月3日土曜日
新冷戦:NATOは再強化されるべき。

関連:
2015年5月21日木曜日
イスラエル:ネタニヤフ首相がパレスチナ国家樹立支持へ急変した理由
2015年4月14日火曜日
イラン:花畑核合意で暴走開始、ロシアから地対空ミサイルS300導入へ。
2015年3月31日火曜日
サウジのイエメン武装勢力空爆とイラン核協議。
2015年3月10日火曜日
イラン核合意:アカの核保有を促す反核偽善者。
2013年12月2日月曜日
イラン:重水炉の建設継続を表明。
2013年11月7日木曜日
中東地域をロシアに委譲する米国。

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