http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0420140826agbg.html#he20140826
テスラ、EV高級セダン「モデルS」を来月8日から日本へ納車
掲載日 2014年08月26日
テスラモーターズジャパン(東京都港区)は25日、電気自動車(EV)の高級セダン「モデルS」の日本への納車を9月8日に始めると発表した。2011年5月の日本での予約受け付け開始から3年強かけての納車となる。日本でのこれまでの受注台数は非公表。日本以外での納車は12年6月の米国を皮切りに、13年10月に欧州、14年4月に中国で開始しており、全世界で累計約4万台の納車実績がある。
「モデルS」は電池容量60キロワット時(最大航続距離390キロメートル)と、同85キロワット時(同502キロメートル)の2種類のバッテリーを用意。日本での価格は、同60キロワット時モデルが消費税込みで823万円から、同85キロワット時モデルが同933万円から。
EVとFCVの戦いでは、政府あたりが本気で横車を押さないことには、あらゆる面でFCVの勝利は難しいと見ていたわけだが、
参考:
2014年7月13日日曜日
FCV:EVとの勝ち目なき戦い。
2014年6月20日金曜日
FCVが超小型EVに負ける未来予想図。
最近の日本政府は、FCVというか、水素社会の実現にかなり本気である。
参考:
2014年8月14日木曜日
無人潜水艦:米海軍と防衛省が促進する水素社会。
そのような政府の意向を受けてだろう、トヨタも2015年度を予定していたFCV投入を1年前倒しして本年度中に発売することを発表している。
参考:
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140625_654960.html
トヨタ、燃料電池車(FCV)を2014年度中に発売、価格は「700万円程度」と予告
(2014/6/25 14:00)
このタイミングでのモデルS納車決定は、おそらく、最近の日本政府の思いの外素早い動きにテスラ社が先手を打ったということだろう。
ただ、モデルSの価格を見ると、購入補助金で700万円程度に価格が押さえられる予定になっているFCVに比べてかなりの割高感ではある。それでも今この価格設定で勝負してきたということは、現状ではまだまだEVの方が燃料供給網(充電スタンド)の面で優位性が高いと見ているからだろう。実際、水素ステーションは現在、都会のごく一部にしか無いが、テスラの国内モデルはCHAdeMOにも対応しており、既に全国(カーディーラーやその他のお店)で充電が可能になっているのである。しかも、その殆どが充電無料である。たとえ有料であったとしても一回の充電は高くて700円であり、ガソリン車は最早ライバルにすらならない。
参考:
GoGoEV
http://ev.gogo.gs/
つまり、FCVとの勝負を燃料供給面で見た場合、今のところはEV側が圧倒的に有利なのである。
この現状で、FCVがEVに勝つためには、水素ステーションを充実させつつ水素燃料価格を無料同然にするか、さもなくば、車両価格をEVよりも相当低く設定するしか無いだろうが、EVによりも複雑なFCVの車両価格をEVより安くすることはかなり難しいだろう。まぁカーディーラーでテスラ車の充電を拒否するというネガティブな対抗策もあるが、それだと“エコのためのEV普及”という大義名分に反しイメージ的には最悪である。
結局、FCV普及と水素社会の実現に向けて政府がリソースを集中的に投入すべきなのは「水素スタンドの普及のための政策」に尽きるだろう。水素燃料をほぼ無料化した上で、余計な規制を全て取っ払い、水素スタンド業者の運営費を政府が全て持ってやるぐらいの大胆な政策を早急に実施しなければ、国内にはEV社会の方が定着してしまうだろう。日本で一度定着してしまった文化を切り崩していくのは大変な労力である。
さて、おそらくテスラ社は今回のモデルS納車を皮切りに、矢継ぎ早に次の低価格モデル「モデル3」を日本に投入してくることだろう。こちらのモデルは現時点で3万5千ドル(約350万円)なので爆発的に普及する可能性が高いと見ている。
関連:
2014年6月13日金曜日
米テスラ:EV特許オープン化でFCV時代を戦う。
2014年5月24日土曜日
リチウムイオン電池でFCV時代を乗り切る米テスラとパナソニック。
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