原油価格が1バレル30ドル台にまで低下したとのことである。
現在の原油安は産油国の財政難を更に加速することが予想されるわけだが、産油国サウジアラビアは相変わらずOPECの減産要求には応じるつもりはないようである。
サウジアラビアは「米国のシェールガス産業を潰すために原油価格を押し下げている」とも云われているようだが、実際は「ロシア潰し」が目的ではないかと当ブログでは考えている。サウジアラビアの「ロシア潰し」はシリア問題でサウジアラビアの提案を飲もうとしないプーチン大統領への制裁という意味合いもあると見ている。たとえOPECで減産しても非加盟国のロシアが抜け駆けして儲けるだろう。サウジアラビアとしてはそれを阻止したいのだ、というのが当ブログの見立てである。
参考:
2013年10月24日木曜日
サウジアラビア:米国の“弱腰”中東外交に苛立つバンダル王子。
現在のサウジ演出の原油安はロシア経済が破綻するまで続くだろう。
参考:
2015年8月8日土曜日
原油大国ロシアでガソリン不足が懸念、ロシア経済崩壊で原油安は底を打つか
一方、この世界的なエネルギー資源安が先進国経済に福音を齎すことは今さら言うまでもないだろう。米国経済にとっても勿論そうだが、資源以外の産業で成り立っている日本にとっては正に「神風」と言えるだろう。
参考:
2014年11月26日水曜日
原油安:肉を切らせてロシアの骨を断つサウジ。
このタイミングで国内では今年4月からの「電力自由化」と来年4月からの「都市ガス小売り自由化」が予定されており、電気業界やガス業界といった枠組みは次第に失われていき、「エネルギー業界」という大きな括りに落ち着いていくだろう。例えば大手電力会社と大手都市ガス会社がライバルになるということだ。そればかりか、携帯キャリアなどのエネルギーと無関係だった企業までもがライバルになり、エネルギー業界では今後苛烈な競争が繰り広げられ、やがては業界での統廃合も進むことになるだろう。
このようなエネルギー業界の競争はエネルギー価格の低下を促し、次第に庶民の懐も温まり財布の紐も緩むことだろう。これは日本経済にとってかなり明るい材料である。
電力会社にとっては電力自由化自体はネガティブ材料と言えるわけだが、来年4月からの都市ガス自由化でそれを十分に打ち消すことができるものと思われる。例えば、東京電力は中部電力とJERAを設立しLNG調達力を世界最大規模にまで拡大する体勢に入っており、今後はガス業界の主導権をも手にする可能性があるからだ。ガス業界にとってはある意味危機的状況と言えよう。
参考:
2015年4月16日木曜日
JERA創設は電力業界大再編の狼煙。
東京電力は原発事故から続けられているリストラで経営効率を高めており、現在の原油安と相まってエクセレントカンパニーとして復活する可能性が高いと見ている。
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