引用元:産経
米上院、TPA法案を可決 TPP協議に追い風
2015年5月23日 10時54分
産経新聞
【ワシントン=小雲規生】米議会上院は22日、通商交渉の権限を大統領に委ねる貿易促進権限(TPA)法案について採決し、62対37の賛成多数で可決した。
TPA法の成立は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の合意に不可欠とされており、日米などTPP交渉参加12カ国の協議に追い風となる。
また上院はこれに先立ち、TPP交渉の障害になる懸念があった為替操作に関する修正条項を賛成48、反対51の僅差で否決した。自由貿易協定交渉の際に為替操作への強力な対抗措置のルールを定めるよう求める内容で、共和党指導部やオバマ大統領らが、TPP交渉参加国が為替問題をTPPで扱うことに否定的なことや、米国の金融政策への制約になることなどを理由に反対していた。
下院での審議は休暇明けの6月からになる。
米上院でのTPA法案可決は、TPP交渉全体において重要な一歩である。
今回はTPA法案が米上院を通過しただけでなく、“反日爆弾”と成り得る為替操作に関する修正条項についてはキッチリと否決されており、日本にとっては非常に理想的な形で物事が進んでいる。
とはいえ、次の米下院での審議は6月上旬となっており、米大統領選が始まることを考えると、オバマ政権下でTPP合意・批准するにはスケジュール的に相当タイトであることには変わりないだろう。
参考:
2015年5月14日木曜日
TPP:米上院TPA動議に米民主党が一転譲歩、再採決へ
ちなみに今回のTPA法案の採決は、午後9時という通常ではあり得ない遅い時間に行われたようである。米共和党を中心としたTPA法案に賛成する上院議員たちは、米上院がメモリアルデー休暇に入ってしまう前に何としてでもこの法案を通過させたかったようだ。
参考:
引用元:TPA: Senate Passes Obama Trade Agenda Authorization - International Business Times
この米上院のTPP推進派の“気合”の入り方から推測すると、彼らは「TPPの年内合意・批准はギリギリ間に合う」と見ている可能性もある。
さて6月からの米下院での審議だが、米議会で多数派を占める米共和党の一部にはTPA法案に反対している者も多少見受けられるものの、それは米民主党側の造反で十分相殺できるものと予想している。
つまり、もはや焦点は「TPA法案が成立するかどうか」などではなく、「TPPの年内合意・批准が可能かどうか」に移ったということである。
関連:
2015年2月20日金曜日
TPP交渉妥結は2015年末か。
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