2015年5月27日水曜日

医療保険制度改革:狙いは国保診療報酬の不正請求阻止

https://surouninja.blogspot.com/2015/05/The-medical-insurance-system-reform-passed-in-the-House-of-Councillors-to-prevent-the-false-claims-of-medical-treatment-fee.html
“国民皆保険制度のゴミ箱”と化している「国民健康保険制度」。その制度の矛盾から赤字体質が続く国民健康保険の運営主体を、現状の「地方自治体」から「都道府県」に移管し、財政基盤を強化するための「医療保険改革法案」が本日(2015年5月27日)、参院本会議で可決、成立したとのことである。

引用元:産経
医療保険改革法案が成立 国保を都道府県に移管、平成30年度から

2015年5月27日 10時48分

産経新聞

 国民に広く負担を求める医療保険改革法案が27日の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。

 法案は赤字体質が続く国民健康保険(国保)の運営主体を平成30年度に市町村から都道府県に移し、財政基盤を強化するのが柱。75歳以上の後期高齢者医療制度を支えるため、大企業社員や公務員の負担を増やす「総報酬割」を29年度に全面的に導入する方針も盛り込んでいる。

 国保には自営業者に加え、所得の少ない年金生活者や非正規労働者らが加入している。保険料収入が少ない一方で医療費が高く、慢性的な赤字体質が続く。解消に向けて国は、都道府県への移管で財政基盤を強化させるとともに、29年度以降、毎年3400億円を国保に投入する。

これによりサラリーマンの負担が増えることになるため、サラリーマンが加入する大企業健保の健康保険組合連合会は、この医療保険改革法案に以前から反対を示していたわけだが、同連合会は国保というゴミ箱のお陰で自分たちの負担が少なく済んでいることには触れようとしない。国としては、このような健康保険組合連合会の“我儘”にはいつまでも付き合っていられないだろう。

参考:
2014年5月18日日曜日
健保制度改革の肝は老人の意識改革。

さて、今回の医療保険改革法案の“本命”が何処にあるのかを推測すると、やはり、「都道府県にも再審査請求権が与えられる」という点ではないだろうか。

参考:
引用元:m3.com
県が国保レセの再審査請求可能に、医療保険制度改革
3月中に閣議決定へ、患者申出療養も創設

2015年2月23日
県の再審査請求に危機感

 日本医師会副会長の松原謙二氏が指摘したのは、都道府県が、市町村による保険給付について、法令違反があったり、給付が不要に行われた恐れがある場合、再度の審査が可能な仕組み。都道府県も運営主体となる国保の保険給付は、都道府県から交付金を受けた市町村が実施するが、資料には都道府県の役割として「市町村が行った保険給付の点検、事後調整」が盛り込まれ、都道府県もチェックができるようになり、二重のチェック体制となる。さらに都道府県は、法令違反や不当な給付があった場合、市町村に対して、保険給付の取消勧告も可能となる。

 松原氏は、従来通りのレセプトなどの審査を通過したあとも、都道府県からの再審査請求が出る可能性のある点について、「審査は医療機関と保険者で、医学知識のある委員が判断している」と指摘。都道府県が、何らかの機械的の基準で再審査請求をするようになる可能性を念頭に、「(再審査が多くなれば)国民に十分な医療供給ができなくなったり、二度手間になったりする」と話し大きな法令違反だけを取り上げるように求めた。

引用元:DENTAL VISION
【編集部コラム】長野県国民健康保険団体連合会が、診療報酬の再審査請求約1,300件を放置
投稿日: 2012年1月11日 作成者: ikeipress

 すでに、信濃毎日新聞や中日新聞に掲載されているが、長野県国民健康保険団体連合会の職員が、診療報酬の再審査請求約1,300件を放置していたことが明るみに出た。昨年4月に担当者が交代し事態が発覚したとのことである。しかも、同連合会はこの事態を内規による処分で済ませ、監督者の長野県にも報告していなかったという。

一昨年の“ローラ父の国保詐欺”でも注目されたように、現状の地方自治体による国保の管理は余りにも杜撰で問題だらけだ。実際、地方自治体による国保の再審査請求は殆どまともに機能していないため、外国人が国保の「海外療養費制度」などを悪用し、医療保険を詐取し放題なのである。外国人による不正が国保の財政を圧迫している可能性も極めて高いだろう。

引用元:日経新聞
ローラさんの父親国際手配 国保で87万円詐取容疑

2013/6/25 12:22 (2013/6/25 13:27更新)

 警視庁組織犯罪対策1課は25日までに、海外渡航先での治療費を給付する国民健康保険の「海外療養費制度」を悪用して現金約87万円をだまし取ったとして、タレントのローラさん(23)の父親で、バングラデシュ国籍のジュリップ・エイエスエイ・アル容疑者(53)を詐欺容疑で逮捕状を取り、国際手配した。





都道府県と地方自治体によるダブルの再審査が行われることについて、日本医師会は慎重姿勢を示しているようだが、おそらく彼らは(不正請求ができなくなることで)売上が減るのを恐れているだけだろう。外国人とグルになって不正請求を行っている医者たちも、これで儲けのタネを失うことになるだろう。

何れにしても、国保改革が進むことは全ての国民にとって良いことである。

会社の社保に加入しているサラリーマンにとっては負担増となる可能性が高いため、今は両手を挙げて賛成できないかもしれない。だが、たとえ今は社保に加入していたとしても、将来的には国保に世話になるのだから、長期的に見れば国保改革はサラリーマンも歓迎すべきものである。

「国民健康保険制度」は、日本の皆保険制度の“闇の部分”である。現状の国保の抱える矛盾を解決した上で(つまり国保以外の健康保険料が適切に値上げされた上で)、今後も本当に皆保険制度が必要なのかどうかをもう一度国民に問うてみるべきだろう。今は「皆保険制度は素晴らしい」と主張する人々も、其の時には健康保険料負担に耐え切れなくなり、「皆保険制度なんて止めろ」と叫ぶかも知れない。

関連:
2014年8月28日木曜日
総社市:自助努力に現金支給で国保財政あっさり黒字化。

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