原油価格の急落で国家が破綻しそうなほど困窮しているベネズエラ。如何にも同国の考えそうな場当たり的な策だが、OPECの事実上のリーダーであるサウジアラビアが以前から減産などの価格下支え政策には反対しており、この案が採用されることはまず考えられないだろう。そもそもロシアなどの非加盟国は減産する気など全くないため、OPECとしてもこれを採用したところで殆どメリットは無く、実現も不可能だろう。
引用元:ロイター
2015年 10月 15日 14:15 JST
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アングル:原油下限70ドル案、OPEC会合が最初の一歩に
[ヒューストン/ニューヨーク 13日 ロイター] - ベネズエラのラミレス国連大使が石油価格を回復させるため、1バレル=70ドルの下限を設ける案を提案しており、21日にウィーンで開く石油輸出国機構(OPEC)の技術専門家会議で協議される見通しだ。トレーダーは実現を期待しない方が安全だが、会議が最初の一歩になる可能性がある。
OPECの事実上のリーダーであるサウジアラビアは価格下支え政策にまったく興味を示しておらず、ロシアなどOPEC非加盟国も事実上、減産の可能性を排除している。大方のアナリストは、価格帯を設定するのは荒唐無稽で、70ドルという価格も高過ぎて維持不可能だと見ている。
仮に原油価格に下限を設けたとしても、他のOPEC加盟国は抜け駆けして原油を売りまくることも考えられる。寧ろ、一番抜け駆けして売りまくりそうなのは、国家崩壊の危機に瀕しているベネズエラ自身かも知れない。まぁアカが集まるカルテル組織などに団結力を求めるだけ無駄だろう。カネに困った途端に内ゲバを開始するのは、共産主義組織の一種の様式美である。OPECは今まさにそのような“困った状態”に陥っているのだ。
以前から述べている通り、現在の原油安はロシアが音を上げるまで続くだろう。現在の原油安は米国とサウジによる親ロシア派勢力窮乏化戦略の一環だからだ。
参考:
2014年11月26日水曜日
原油安:肉を切らせてロシアの骨を断つサウジ。
2014年9月17日水曜日
原油減産という麻薬で自滅するOPEC
2014年9月11日木曜日
強いドルを求める先進国、焦るアカい新興国。
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