マックが1号店=ベトナム、進む市場経済化
時事通信 2月8日(土)16時52分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140208-00000087-jij-asia
【ホーチミン時事】米マクドナルドは8日、ベトナム南部ホーチミンに世界120カ国・地域目となる越1号店をオープンさせた。ベトナム戦争や社会主義制度の影響で進出が遅れていたが、スターバックスなど米ファストフード各社の出店が続いており、ベトナムの市場経済化が急速に進んでいる。
1号店の面積は約1300平方メートルで、席数は350。ビッグマックは6万ドン(約300円)とベトナムの物価水準では高額だが、店内は若者らで大混雑した。ベトナム初のドライブスルー方式を採用し、駐車スペースは16台、バイク250台の駐輪場も備えた。
米マクドナルドは、ベトナムが今経済の“転換期”であると判断したのだろう。新興国型経済から先進国型経済への“転換期”である。それは、マクドナルドの商品が最も利益を生み出すタイミングである。
ベトナムはTPPで伸びる国の一つである。
米国とのTPP交渉では、ベトナムの主力産業の一つである「繊維」についてのベトナム側の要求に米国が譲歩したことは記憶に新しい。そのことは、今後のベトナムの経済成長に米国がお墨付きを与えたようなものである。
参考:
2013年9月16日月曜日
ベトナム衣料品に対する米国の譲歩がTPPの根幹を揺るがすか。
ベトナムの人件費は年々上昇しており(それでも中国の1/10から1/5)、人海戦術の家内工業的な企業には徐々に厳しい環境になってはいるものの、上記のTPP交渉での米国の譲歩により、隣国のカンボジアやラオス、そしてミャンマーといった、ベトナムよりも更に人件費の安いTPP非加盟国へ工場を移すことで、経済成長を続ける余地が生まれたわけである。今後ベトナムはTPP加盟国と非加盟国の間で橋渡しの役割を担うことで成長を続けるものと思われる。
また、人件費高騰と地政学的リスクの高まった中国でわざわざモノを作ろうという企業も今後は減り続けるだろう。ベトナムやそれよりも人件費の安い東南アジア諸国でモノを作って、それらを陸続きの中国に運んでも十分に採算が採れるからである。
世界の新興各国は現在、急激な先進国への資金還流(新興国からの資金流出)によって苦境に立たされているが、上記の理由からも、ベトナムは今回の荒波も見事に乗り越えそうな気配である。
グローバル化した経済においては、市場開放こそが成長の肝なのである。残念ながら日本では、産業界の生活保護集団とも言える抵抗勢力が市場開放を阻害しているが。(参考:TPP交渉:農業団体保護が日本の産業の背骨を折る。2013年11月17日日曜日)
ちょっと話が逸れたが、ベトナムに残るリスクとしてはベトナム共産党による一党独裁が挙げられるが、彼らがドイモイ政策を着実に実行し続けているうちは、それも然程問題になることはあるまい。まぁそれでも近い将来には、ベトナムで共産主義打倒の機運が高まるものと思われる。共産主義国では有りがちな日常的な“汚職”は、ベトナムでも当たり前のように見受けられるわけだが、それも経済成長で国民に余裕のあるうちは寛大にスルーしてもらえるだろう。だが、いよいよベトナムが効率化の求められる“先進国フェーズ”に突入すれば、そこを火種に政権批判の火柱が一気に上がることだろう。
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