これは、世界的な米国への資金還流の動きが、ロシアにも波及しているということの証左でもあろう。
このルーブル下落に呼応して、旧ソ連圏の国々では通貨切り下げの機運が高まっている。
〔アングル〕カザフの通貨切り下げ、旧ソ連諸国も追随か
2014年 02月 12日 15:39 JST
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPL3N0LH1U920140212
[ロンドン 11日 ロイター] - カザフスタンが大幅な通貨切り下げに踏み切ったことを受け、他の旧ソ連諸国も追随するのではないかとの見方が浮上している。
アナリストは、カザフスタンの通貨切り下げの背景にはルーブル安があると指摘。ルーブルは今年、対ドルで6%値下がりしている。
市場では、ベラルーシとウクライナも通貨の切り下げに踏み切る可能性があるとの見方が浮上。近隣窮乏化政策で旧ソ連圏の貿易収支が混乱に陥るのではないかとの懸念も出ている。
さて、気になるのは今後のロシア中央銀行の金融政策だが、恐らく同中銀は現在のルーブル安進行をこのまま放置するのではないかと思われる。というのも、昨年(2013年)ロシア中銀総裁に就任したエルビラ・ナビウリナは、プーチン大統領の元側近であり、プーチン政権の意向には忠実に応じると考えられるからである。
参考:
13:36 24/01/2014 ノーボスチ
プーチン、ルーブルの切下げについて言及もナビウリナは何も語らなかった
ルーブル安は、“ガスプロム”の収益を増大化させることに繋がっている。ルーブル安は、同社が受け取れるドルを増やすと同時にルーブル建ての税金支払いを減少させる効果があるからだ。
同社は事実上のロシア国営ガス企業であり、ロシアの実体と言っても過言ではない。そして、プーチンは同社のためにルーブル安を志向している。
参考:
2014年2月3日 オリガ・サモファロワ, ヴズグリャド紙
通貨安がもたらしたおとぎ話
ちなみに、ウクライナの暴動の原因もロシアとの不条理なガス契約に在ることは周知の事実である。
参考:
2013年11月22日金曜日
ウクライナ:国民生活を犠牲にしてロシアを選択。
さてこのように、「ロシアの政治を動かしているのはガスプロムである」と言っても過言ではない現状、プーチン大統領と繋がるロシア中銀総裁は今後もルーブル安の進行を黙認し続けると見ている。まぁ良く言えば、中国とは違い、ロシアは為替相場を市場に任せているということではあるのだが。
関連1:
2014年1月26日日曜日
新興国通貨暴落:“強いドル”に悶えるオバマ。
関連2:
2013年7月7日日曜日
エジプトやトルコの不安定化でNY原油先物が1年2ヶ月ぶりの103ドル台。原油・ガス価格連動型経済のロシアには朗報となるか。
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