http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141014/plt1410141531002-n1.htm
ルー米財務長官 消費増税に重大警告 景気低迷に懸念
2014.10.14
米国が日本の増税路線にまた強い警告を発した。ルー財務長官が声明の中で、日本の景気低迷が続く恐れがあると指摘したうえで、政策当局者に「財政再建のペースを注意深く調整する必要がある」と求めた。来年10月の消費税率10%への再増税を再考するよう事実上求めた形だ。
安倍政権は今年度(2014年4月)から消費税を5%から8%に引き上げたわけだが、来年5月(2015年5月)からは更に10%まで引き上げることも予定されている。10%への増税は、来月(2014年11月)公表される7月~9月期のGDPなどの景気指標を見た上で年末に判断されることになっているわけだが、ここのところの世界経済の不安定化を懸念するルー財務長官は、日本が其れに追い打ちを掛けることを気にしているのだろう。
日本の消費税増税は間違いなく円高デフレ方向へ作用するだろうし、そうなればアベノミクスは元の木阿弥となり、順調に回復している米国景気の足さえも引っ張ることにだろう。
なおルー米財務長官は、「強いドル」(ドル高・円安)を志向する人物である。
参考:
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140922/frn1409221532007-n1.htm
消費増税 米もダメ出し 財務長官が「失望」表明
2014.09.22
日本の消費増税に米国からノーが突き付けられた。4月以降の成長鈍化について、ルー米財務長官が「期待外れとなった」と表明したのだ。増税推進派は「消費増税は国際公約」というのだが、再増税を強行すれば世界に迷惑をかけることになりかねない。
ルー財務長官は21日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後の記者会見で、日本とユーロ圏を名指しして、最近の成長鈍化を指摘した。日本については、消費税率を4月に8%に引き上げて以降、個人消費と投資が落ち込んでおり、「経済活動の縮小による困難に直面している」と懸念を示した。
このところ急速に進んでいる円安についても、本来なら米国の自動車産業などにとって打撃となるはずだが、ルー長官はクギを刺すどころか、17日の講演会で「強いドルは良いことだ」と述べ、円安ドル高を事実上容認した。G20でも「為替の議論はなかった」(会議筋)という。
さて、少子高齢化が進む日本では、高齢者からも税金をしっかり徴収するか、さもなくば財政を圧迫している社会保障費を切り詰めるしかないわけだが、現実的に見れば、リタイアして所得が低下する高齢者からの徴収(所得税や住民税)はあまり期待できない。
だからこそ、やはり、増税するなら「消費税で」ということになるのだろう。
だが言うまでもなく消費増税は諸刃の剣である。消費増税は景気にマイナスに作用し、アベノミクスの足を引っ張ることで長期的には税収が減るという悪循環に陥るからだ。
そう考えると、合理的な判断としてはやはり、消費増税は8%で打ち切る一方で、社会保障費は切り詰めるという選択肢しかないだろう。
ただ、社会保障費の切り詰めをやると次の選挙は乗り越えられないかも知れない。日本の有権者の多くが高齢者だからだ。
安倍政権は今後、高齢者層をなんとか説得しなければならないだろう。まずは、高齢者に何らかの飴(インセンティブ)を与えて医療費を湯水のごとく浪費することを止めさせていく他にないだろうし、年金についても、若者世代に比べてカネの必要性が低い高齢夫婦2人世帯が毎月20万も30万も年金受給するという現状は、どう考えても今の時代にそぐわず是正する必要があろう。まぁ急激に年金受給額を減らすというのは高齢者からの反発も大きいだろうから、毎年の税制改正で「公的年金等控除額」のパラメータを大胆に引き下げるとか、そもそも「公的年金等控除額」という“特別扱い”をなくしてしまうといった、なるべく遠回しな対年金増税手段が必要になるだろう。
まぁいずれにしても、世界景気に大きな雲がかかり始めた今は、消費に直接悪影響を及ぼす危険性の高い“消費増税”だけは何としても回避すべきと考えている。
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