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介護分野の人手不足解消へ、資格要件を緩和
読売新聞 10月15日(水)7時7分配信
介護分野の深刻な人手不足を補うため、厚生労働省は、介護職の資格要件を緩和する方針を固めた。
現行の資格を取得しやすくするか、よりハードルの低い新たな資格を創設する。介護分野への外国人の受け入れも拡充し、2025年度までに約100万人の増員が必要とされる介護職の担い手の裾野を広げる。
世に存在する「資格」などというもののほとんどは、表向きには労働者のスキルを保証するためのものということになっているが、実際は過剰な労働力を調整するための「抵抗」のようなものに過ぎない。
何らかの資格を持っているからといって其の人物が必ずしも其の分野に長けているとは言えない、という現実の状況を見ても分かる通りである。
むしろ資格制度というものは日本の経済発展を阻害する原因ではないかとすら考える。
というのも、資格制度というカースト的な制度を作ることで労働者が勘違いしてしまうからだ。彼らは資格を取得したことで達成感を得てしまい、労働の質を更に向上させるという本来の目的を疎かにしてしまいがちだし、また、資格を取得した労働者が「資格があるから賃金が上がって当然」という勘違いをしてしまい労使間の認識に齟齬が生じるからだ。労働者に支払われるべき賃金は、本来は資格の有無などではなく、労働需給で決まるべきものなのである。
今、介護業界は深刻な人手不足に陥っている。このような状況で資格などという「ハードル」を設けるのはどう考えても非合理的なことである。こういうと介護職の方は気を悪くするかも知れないが敢えてそれを恐れずに言えば、「介護」などというものはぶっちゃけ誰にでもできる仕事なのである。現状では大変な仕事であることは間違いないが、それはあくまでも人手不足が主な原因であり、人足を増やすことでクリアできる単純な問題に過ぎないのだ。介護も所詮は“労働集約型産業”に過ぎないのである。
そのような仕事に「資格制度」などというお高く止まった制度を設けるべきではない。今の介護職の現場には、そんな悠長なことをしている余裕は無いはずである。
「人手が足りないなら人手を増やす、人手が増えないなら給料を上げる」という、本来なら余りにも単純な構造を歪めてしまうのが今の資格制度なのである。
人手が余って仕方がないようなデフレ期なら、それもある意味「資格ビジネス」として雇用創出のために認められなくもないが、少なくとも今の日本はそのような状況には無い。海外からの労働力やロボットに頼ろうかという議論しなければならないほど、日本は人手不足なのである。
「資格制度」というものは、これから経済が伸びて行くという段階においては単なる障害にしかならない。資格制度は、特に労働集約型産業においては全く必要はない制度であるといっても過言ではあるまい。
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