2015年11月7日土曜日

ロシアの人民元建て国債発行はシリアでの米ロ協調を促すか

https://surouninja.blogspot.com/2015/11/The-real-goal-of-Russias-issue-of-RMB-government-bonds-might-be-related-to-Syria-situation.html
英国と韓国に続き、ロシアも人民元建ての国債を発行すると表明したとのことである。

ウクライナへの軍事介入で西側から経済制裁を受け、更には米サウジ主導と思われる“原油安”のダブルパンチを受けて経済が疲弊しているロシアは、インフレと物不足に陥っている。これらはプーチン政権への不満を増大させる原因になっている。

それを緩和するための苦肉の策として、ロシアも中国からの投資を呼び込もうと必死になっているようである。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM06H8P_W5A101C1FF1000/
ロシア、人民元建て国債発行を表明 中国マネー呼び込み狙う
2015/11/6 20:18

 【モスクワ=古川英治】ロシア中央銀行は6日、2016年に人民元建てで国債を発行すると表明した。人民元を巡っては韓国が中国での元建て韓国国債発行で合意したほか、英国では中国が元建て国債を発行する準備に入るなど活用が広がっている。ロシアはウクライナへの軍事介入を巡る欧米の制裁で資金調達が困難になっており、元建て国債発行を通じ中国マネーの呼び込みを狙う。

 ロシア中銀のシュベツォフ第1副総裁が最低10億ドル規模の人民元建て国債を発行すると述べた。今後、中ロ当局間で調整を進め、16年半ばの発行を目指す。ロシア財務省高官は同日、同国のメディアに対し、モスクワ取引所で人民元建て国債の取引を始める計画も明らかにした。中国側からの発表はない。

 ロシアのプーチン大統領はかねて中国の習近平国家主席との会談で、中国からロシアへの投資の規制緩和など、金融面での協力を働きかけてきた。ロシアの国営銀行やエネルギー企業などを標的にした欧米の金融制裁を受け、欧米市場での資金調達が困難になったためだ。ロシア企業の間では貿易決済をドル建てから人民元建てに切り替える動きも出ている。

 中ロ首脳は今月開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議やアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に会談する見通しで、その場で人民元の利用について合意する可能性がある。

 米欧の制裁に原油安が加わりロシアは不況に見舞われた。輸出の6割程度を占める原油・天然ガスの価格急落で景気の先行きが見通せなくなり、政府は通常3カ年計画で出す予算案を16年は単年で示した。ロシアは金融面でも中国への依存を強めつつある。

今後の世界情勢を考えると、人民元建ての借金(国債)というのは発行者側(債務者である国)にとっては非常に美味しい資金調達方法となる可能性が高い。なぜなら、目下進行する中国経済崩壊で人民元が将来的に紙クズになる確率が非常に高いからだ。現時点ではかろうじて価値を保っている(中共が強引に価値を維持している)人民元をガッツリ借りておいて、将来は紙くずとなった人民元で返済すれば、借りた側は大儲けである。中国人民の労力は、中共の安っぽいプライドのために英国とロシアにタダ同然で提供されることになるのだ。

ところで、先日発生したロシア機墜落事件だが、オバマ米大統領は、ISILが機内に仕掛けた爆弾の可能性があるなどと述べたとのことである。この発言には、対ISIL戦にロシアを巻き込もうという狙いが透けて見える。そろそろ西側の経済制裁解除を求めたいロシア側も、シリアで「ISIL打倒」という共通の目的を得て米ロ協調というチャンスを得たいことだろう。

もしシリア情勢で米ロ協力が実現すると、一気に追い込まれることになるのが中国である。ISILに武器を提供している中国は、米ロの共通の敵に成り得るからだ。

ロシアがシリア情勢で中国を裏切る可能性は非常に高い。ここで米国と手を結び中国を潰すことについて、ロシア側にはデメリットは存在しないからだ。中国を切ることで日本との関係も改善に繋げやすいだろう。何より経済制裁緩和でロシア国内のプーチン政権への不満を緩和できる点が一番大きい。

シリアの対ISIL戦での米ロ協調が実現すれば、中国は完全に四面楚歌状態に陥るということである。

そうなれば、人民元建て国債(人民元の価値)も債務者側のロシアが好きなように操れるということだ。ロシアは近い将来、人民元の価値をゴミにして借金(人民元建て国債)を合法的に踏み倒すために日米主導の中国包囲網にも喜んで加わるだろう。



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