この犯行声明に対し、ロシア運輸相は「真実とは考えられない」と述べているようである。
http://jp.reuters.com/article/2015/11/01/egypt-crash-idJPKCN0SQ1AW20151101
2015年 11月 1日 11:38 JST
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[イスマイリア(エジプト)/カイロ 31日 ロイター] - エジプト東部シナイ半島の山岳地帯で31日、同国の保養地シャルムエルシェイクからロシアのサンクトペテルブルクに向かっていたロシアの航空機が墜落した。搭乗していた乗員乗客224人は全員死亡した。
乗客はロシア人が214人、ウクライナ人が3人だった。
エジプトの民間航空当局によると、ロシアのコガルイム航空(通称メトロジェット航空)のエアバスA321型機は、カイロ時間午前5時51分(GMT0351)に離陸し、23分後にレーダーから消えた。現場からはブラックボックスが回収された。
エジプトのイスマイル首相は記者会見で、生存者を発見する可能性はほぼないとの見方を示した。
欧州航空大手のルフトハンザ(LHAG.DE)とエールフランス・KLM(AIRF.PA)は、墜落原因が明らかになるまでシナイ半島上空の飛行を避けると発表した。
過激派組織「イスラム国」は、ロシアのシリア空爆への報復として同機を撃墜したとする犯行声明を短文投稿サイト「ツイッター」で発表したが、ロシアの運輸相はインタファクス通信に対し、声明内容が「真実とは考えられない」と述べた。
もしこの墜落事故がISILによる「撃墜」であったとすれば、得をするのはロシアである。
なぜなら、ロシアはこれを口実にして、中東(特にシリア)への軍事的影響力を強めることができるからだ。ロシアは以前からシリアへの地上軍投入を仄めかしており、それに対して米国やNATOは懸念を表明している。ロシアの人命がISILによって奪われた事件となれば、ロシアにとっては、ISIL討伐という名のシリア・アサド政権支援(ロシアの地上軍投入)の大義名分が立つのである。
一方で、この件ではっきりしたことは、米国はISILに関与していないであろうということである。もし米国がISILに関与していたとすれば、わざわざロシアを招き入れるような馬鹿な真似はしないからだ。ISILが使っている武器が中国製とロシア製(今回航空機を撃ち落とした武器もおそらくはロシア製のBukであろう)という点からも米国関与の可能性は極めて低いだろう。
つまり、この事件はロシアの自作自演(または、南シナ海問題から米国の目を逸らしたい中国との共謀)である可能性が高そうだ、ということである。
ロシア運輸相がISILの犯行声明に「真実とは考えられない」といったそうだが、おそらくこれはロシア側のアリバイ作りではないかと見ている。
ロシアは今後、シリアでの影響力を強めるためにアサド政権支援のための地上軍を積極的に投入してくるだろうが、そうなるとシリア情勢の泥沼化は不可避である。オバマの弱腰外交の負の成果がいよいよ中東で疼き始めることになるのだ。
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