だが、このようにイラク情勢が急速に逼迫し始めているにも拘らず、オバマ米大統領は、2011年12月にイラクから撤退済みの米軍を再び派遣することは無いなどと明言したようである。
イラク政府支援を数日間検討、米軍再派遣はない=オバマ大統領
2014年 06月 14日 09:10 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0EO2SH20140614
[ワシントン 13日 ロイター] - オバマ米大統領は13日、イラクで過激派武装組織が勢力を拡大していることについて、同国政府に対しどのような支援を行うか数日間検討する必要があるとの認識を示した。
ただ米軍を再びイラクに派遣することはないと言明した。
前ブッシュ政権時代のイラク政策(駐留米軍増強)を批判し、イラクからの完全撤退を宣言してヒーローを演じたオバマ大統領。ここで、自らが批判していたブッシュ前大統領と同じ中東政策に踏み切れば、彼の支持者であるリベラル層は彼を見限るだろう。とはいえ、シリア情勢やウクライナ情勢における弱腰外交や内政での失政も続くオバマ政権は、既に多くの米国民から愛想を尽かされているわけだが。
参考:
オバマ氏支持が過去最低、評価はブッシュ氏と同一水準に
2014.06.14 Sat posted at 17:55 JST
http://www.cnn.co.jp/usa/35049406.html
ワシントン(CNN) 米国民のオバマ大統領の支持率が47%と過去最低水準を記録したことが最新世論調査で14日までにわかった。
一方、アフガニスタンやイラクで軍事作戦に着手し、支持率が激減する不評にまみれてホワイトハウスを去ったブッシュ前大統領の支持率は46%とオバマ氏とほぼ並んだ。ブッシュ氏の指導力批判を前面に出して国家再建への期待を集め、就任時に高率の支持率を得たオバマ氏の凋落(ちょうらく)ぶりを示す世論調査結果となった。
参考:
2014年6月11日水曜日
米中間選挙:エリック・カンター議員の予備選敗北と米国民の覚醒。
2013年11月6日水曜日
オバマをケアしないオバマケア。
一方、ヘーゲル国防長官と米軍は、オバマ大統領の体たらくっぷりを必死にフォローしているようには見える。イラク情勢の泥沼化を少しでも軽減すべく、武装勢力に対する威嚇のポーズだけは地味に採り続けてはいる。
参考:
米 イラクでの軍事行動に備え空母派遣
6月15日 5時23分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140615/k10015229791000.html
イラクで国際テロ組織アルカイダ系の勢力が攻勢を強めるなか、アメリカのヘーゲル国防長官は、オバマ大統領が軍事的な選択肢を決断した場合に備えてペルシャ湾に空母を派遣するよう命令しました。
イラク情勢を巡って、アメリカのオバマ大統領は13日、イラクに地上部隊を派遣することはないとしたうえで、今後数日、事態を注視し、具体的な対応策を判断する考えを示しました。
だが、米軍最高司令官のオバマがこの様子では、米軍が動ける機会は当分の間は無いだろう。オバマが重い腰を上げざるを得なくなるのは、早くとも、米共和党が上下両院で優勢となるであろう“米中間選挙”(2014年11月2日)以降になると見ている。オバマ大統領は米議会からの猛烈な圧力に屈して、ようやく事態の収集に乗り出すことになるのではないだろうか。
何れにしても、今後しばらく(最低でも米中間選挙までの約5ヶ月間)はイラク情勢の混乱は続きそうである。これは、日本のエネルギー事情にも少なからぬ悪影響を及ぼすことになるだろう。日本としては今後、原発再稼働や米国からの天然ガス輸入などのエネルギー政策を前倒しで実施しなければならないかも知れない。
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