2014年6月20日金曜日

FCVが超小型EVに負ける未来予想図。

https://surouninja.blogspot.com/2014/06/Expensive-FCV-would-lose-to-ultra-small-EV.html
経産省は、大手自動車メーカーが来年(2015年)発売する燃料電池車(FCV)に購入補助金を創設することを検討しているとのことである。なお、トヨタ自動車が来年発売するFCVの価格は、補助金なしで1台1,000万円弱と高額になるようである。

燃料電池車に補助金=水素エネ普及へ15年度創設―経産省

時事通信 6月19日(木)21時38分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140619-00000166-jij-pol

 経済産業省は19日、水素エネルギーの普及策を検討する有識者会議を開き、2040年ごろまでの行程表を策定した。水素で走る燃料電池車について大手メーカーの発売に合わせ、15年度に購入補助金を創設することを盛り込んだ。
トヨタ自動車が15年に発売する燃料電池車は、1台1000万円弱と高額になる見通し。
行程表は燃料電池車の価格に関し、量産効果や技術革新により「25年ごろにハイブリッド車と競争できる水準を目指す」と、大幅な引き下げを目標に掲げた。

それにしても、2025年頃にハイブリッド車と競争できる水準を目指すというのは、どう考えても遅すぎると思うし、目標とする競争相手が“ハイブリッド車”(HV)を想定しているというのも、最初から負けが確定しているとしか思えないわけである。

というのも、後10年もすれば、「自動車」というモノ自体が確実にコモディティ化していると考えられるからである。その頃には、今の若者たちにとっての自動車の価値なんぞ、せいぜいスマホや原付バイク並の扱いになっていることだろう。少なくとも、自動車ごときに数百万円支払ったり、ローンを組んだりする習慣は、10年後には無くなっているものと思われる。

官民挙げてのFCV推進計画がこのような“牛歩”で進められるようでは、10年後にはおそらく、スマートデバイス化した低価格な“超小型EV”が若者たちの身近な“足”になり、その頃には誰もFCVなんぞに見向きもしなくなっているのではないだろうか。

参考:
2014年6月13日金曜日
米テスラ:EV特許オープン化でFCV時代を戦う。
2014年3月4日火曜日
超小型EVは国内産業復活の鍵。

確かに地方では今、カネの使い道の無い爺婆が猛烈な勢いでHVを買いまくっている光景を目にするわけだが、だからといって、10年後に消費の主体となるであろう今の若年層が、今の爺婆のような消費行動を採るとはとても思えないわけである。

10年後の彼らはきっと、もっと合理的な消費行動を採るだろう。

やはり合理性を考えれば、本体価格が安価でランニングコスト(主に税金)も安く、その上スマート(スマートデバイス連動)でコンパクトかつ燃料確保も容易な“超小型EV”に行き着くだろう。若者たちが今、田舎を捨てて都会に流入し続けているという現実からも、都会生活にマッチした“超小型EV”の隆盛が容易に想像がつくわけである。

だから、FCVがこれから意識すべき競争相手は、HVなどという過渡期の自動車なんぞではなく、世界中の非自動車メーカーの参入も予想される、“超小型EV”の方なのである。

自動車メーカーも今後は、「自動車は高価なモノ」という固定観念を脱ぎ捨てて、新しいライフスタイルに合わせたクルマを作っていかないと、今の国内電機メーカーのようにあっという間にガラパゴ陳腐化し、海外の新興メーカーにシェアを奪われる羽目になるだろう。

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