クルド独立「唯一の選択肢」=国家建設の動き加速-イラク
2014/06/24-07:25
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014062400112
【アルビル(イラク)時事】イラク北部クルド自治政府のハミド・アハメド大統領府広報担当次官は23日、時事通信の単独取材に「イラクの現状を見る限り、クルド人の権利と安全を守るには独立以外の選択肢は残されていない」と述べ、独立国家建設に向けた動きが加速していると明らかにした。
クルド人はイラク全人口の2割を占め、北部で自治権を獲得している。隣国トルコやシリアにもクルド住民は多く、イラクで独立が現実味を帯びてくれば、地域全体に影響が及ぶのは必至だ。
クルド自治区が独立すれば、イラク北部トルコ南東部におけるPKKの活動が活発化し、ひいてはコーカサス地域が不安定化するだろう。そうなると当然、トルコを通る西側諸国向けのパイプラインの安全性も損なわれることになるわけである。
この状況だけを見ると、今のイラク情勢は、米露の思惑通りに動いているように見える。
参考:
2014年2月1日土曜日
ロシア:ソチ冬季五輪の地政学的意味。
親ロシアなオバマ政権の偽善が、“コーカサスの親ロシア化”を後押しするわけである。
2013年8月29日木曜日
米露ガスパイプライン主導権争いの場としてのシリアとトルコ。
ロシアは何としてもトルコに干渉したがるだろう。言うまでもなく、TANAPを妨害し、サウス・ストリームの安全と優位性を確保するためだ。
「ロシアのトルコ干渉」よりは可能性として低いかも知れないが、TANAPの起点となっているアゼルバイジャンやグルジアにもロシアが干渉する可能性もゼロではあるまい。
コーカサスの不安定化は言うまでもなく天然ガス価格の上昇要因となり、ガス輸出大国であるロシアの利益は更に膨らむだろう。また、目下シェールガス輸出を検討している米国にも近い将来、巨大な利益を齎すだろう。今後は世界のガス需要をロシアと米国が山分けすることになるだろう。
参考:
2014年3月9日日曜日
ウクライナ情勢と米国シェールガス輸出解禁の動き。
2014年3月7日金曜日
ウクライナ:米露の掌の上で踊るEU。
2013/5/18 2:57
シェールガス、17年にも日本へ 米政府が輸出解禁 - 日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGN1701L_X10C13A5000000/
米露は今、冷戦時代のように世界を2つに色分けし、エネルギー供給の“縄張り”を確定させている最中なのだろう。
ところで、このエネルギー需給引き締め工作で儲かるのは、米国やロシアだけではない。米国の同盟国である日本などに石油やガスを輸出する、サウジアラビアなどの湾岸諸国も同様である。だから、スンニ派武装勢力ISILの背後にサウジアラビアがいるとしても、何ら不思議ではないわけである。
参考:
2014年6月17日火曜日
イラク情勢:中東に構築される親共国家連合。
このまま日本がダラダラと原発を停止させ続ければ、産油・産ガス国は大口顧客である日本の足元を見て、イラク情勢の不安定化を意図的に長引かせるだろう。逆に言えば、日本の原発再稼働がイラク情勢の安定化に寄与するということでもある。
関連:
2014年6月22日日曜日
ロシア:グリーンピースで欧州のシェールガス開発を妨害。
2014年6月19日木曜日
アルストム買収合戦の狙いはガスタービン。
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