引用元:ロイター
2015年 08月 10日 08:15 JST
関連トピックス: トップニュース
サウジ、10日に最大6600億円の国債発行か=関係筋
[アルホバル/ドバイ 9日 ロイター] - サウジアラビアは10日、国債発行を通じて最大で200億リヤル(約6600億円)を調達する可能性がある。複数の関係筋が明らかにした。
サウジは先月、原油価格下落に伴う財政赤字穴埋めのために2007年以降で初めて国債を発行し、今後も発行すると表明していた。国際通貨基金(IMF)の見積もりでは、今年の同国の財政赤字は1500億ドルに上る。
先月発行された150億リヤルの国債の引き受け先は、政府系ファンドに限定されていたが、今回は初めて商業銀行が引き受け先になるとみられている。これらの銀行は2週間前に中央銀行から計画の説明を受けたという。
10日の発行計画についてまだ正式発表はない。しかし複数の関係筋はロイターに対して、5年債と7年債、10年債の形で150億─200億リヤルが販売されるとの見通しを示した。
サウジ政府は年末まで、毎月1回のペースで国債を発行していくことを計画している。ある関係筋によると、商業銀行が中銀から受けた説明では、財政赤字の最大40%を国債でカバーし、残りは外貨準備の取り崩しで賄う方針とされている。
サウジアラビアの国債発行は2007年以降で初めてとなるわけだが、なぜこれほど財政が圧迫しているかといえば、それは“原油安”だけが原因ではない。一番の原因はやはり、「米国とイランの核合意」だろう。
参考:
2015年7月15日水曜日
イラン核協議:最終合意でイランの脅威は増し、中東には新たな軍事同盟が誕生するだろう
2015年4月14日火曜日
イラン:花畑核合意で暴走開始、ロシアから地対空ミサイルS300導入へ。
2015年4月3日金曜日
イラン核協議:枠組み合意でアカを利するオバマ。
2015年3月31日火曜日
サウジのイエメン武装勢力空爆とイラン核協議。
2015年3月10日火曜日
イラン核合意:アカの核保有を促す反核偽善者。
中東で弱腰政策を続けるオバマがイランとの核協議で譲歩したことで、サウジアラビアやイスラエルといった中東の米同盟国は一気に危険に晒されることとなったわけである。米国としては軍事費削減という大義名分があったのだろうが、それにしてもイランの核武装の危険性を先延ばししただけの合意(譲歩)というのは、中東の米同盟諸国を見捨てたも同然であろう。まぁ、米国が自国内でエネルギー(原油やシェールガス)を自給できるようになったことが、サウジアラビアを見捨てるのに十分な動機となったことは言うまでもないだろう。
さて、そうなれば、サウジアラビアが中東のパワーバランスを維持すべく本気を出して自国の軍事力を増強するというも必然と言えよう。実際、最近のサウジアラビアの軍事費が世界的に見ても急増していることが分かる。サウジアラビアが珍しく国債を発行する理由は、やはりこの“軍事費の増加”が主な原因なのだろう。
参考:
http://www.cnn.co.jp/business/35063391.html
世界の軍事費、サウジの17%増目立つ SIPRI報告
2015.04.19 Sun posted at 16:44 JST
ロンドン(CNNMoney) スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は19日までに、世界各国の昨年の軍事費を発表し、サウジアラビアは2013年比で17%増となり、支出額の上位国の中では最高の伸び率を記録したと報告した。
紛争が目立つ中東情勢を反映したものとみられている。サウジは現在、イエメンのイスラム教シーア派の武装組織を掃討する中東諸国らの有志連合軍を主導している。
SIPRIによると、原油輸出大国であるサウジの昨年の軍事費は約808億米ドルで世界4位。国内総生産(GDP)の10%以上を占めた。
当ブログでも以前から指摘している通り、この流れからサウジアラビア(とイスラエル)は今後、米軍の縮小を補うべく強力な軍事力を保有するようになるだろう。当然、“核武装”も十分に有り得る。
参考:
2015年3月28日土曜日
サウジの韓国製原発導入は核武装のためのダミーか。
2014年11月26日水曜日
原油安:肉を切らせてロシアの骨を断つサウジ。
2014年6月17日火曜日
イラク情勢:中東に構築される親共国家連合。
2013年11月10日日曜日
サウジアラビア核武装の必然性。
今後も米国と協力し“原油安状態”を継続させることでイランと背後のロシアの国力ひいては軍事力を弱体化させつつ、自らは早々に米軍に依存しない軍事力を身につける。おそらくこれがサウジアラビアの思い描く青写真だろう。
参考:
2015年8月8日土曜日
原油大国ロシアでガソリン不足が懸念、ロシア経済崩壊で原油安は底を打つか
0 件のコメント:
コメントを投稿