中国海洋石油(CNOOC)が南シナ海のベトナムの排他的経済水域(EEZ)で掘削を開始したことで、ベトナムでは今、反中デモが発生し死傷者も出るほどの事態となっているわけだが、この動きは、最終局面を迎えつつ在るTPP交渉とも密接に関係しているイベントなのではないかと考えている。
TPP参加国の中でも、特にベトナムは、TPP参加国の経済発展に非常に重要な役割を果たすことになるだろう。というのも、TPPにおいて、地理的にも有利(シーレーン沿い)で人件費も最安レベルに在るベトナムが次の“世界の工場”として中国の代替となるだけのポテンシャルを持っているからである。
特にベトナムの繊維は中国のそれと十分に代替可能であり、それがベトナムの主力産業の一つになることは間違いないだろう。
だが、TPP交渉における先日の米越間の繊維交渉で、ベトナムは、TPPの根幹を揺るがしかねない合意を取り付けることに成功している。これはTPP加盟国を経済面のみならず、安全保障面でも脅威を与える合意である。この合意は、“対中包囲網”としてのTPPが無力化する危険性がある。
参考:
2013年9月16日月曜日
ベトナム衣料品に対する米国の譲歩がTPPの根幹を揺るがすか。
だが、もしも今回の中国のベトナム主権侵害で越中関係が今後更に悪化すれば、ベトナムは経済面(原料輸入)においても中国との関係を閉ざすかも知れない。実はこれは、中国の拡張主義を脅威と捉えるTPP参加国(もちろん日本も含む)からすれば非常に都合が良い。
今回の中共の行動は、間接的に対中包囲網としてのTPPを強化し、結果的に中共政権が自らの首を締めることに繋がるかも知れない。中共のこういう無計画で無謀な政策のことをまさに“妄動”というのである。中共政権は今まさに自滅の道を突き進んでいる。
関連:
2014年5月6日火曜日
南シナ海:ベトナム主権侵害で世界を敵に回す中共。
息子二人ぼく、養える自信失くす
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