2014年5月1日木曜日

ウクライナ:IMF主導の金融支援決定から見える未来。

https://surouninja.blogspot.com/2014/05/future-of-ukraine-that-can-be-expected-from-the-financial-support-of-the-imf-led.html
ウクライナの財政破綻を回避すべく、IMFが遂に2年間で総額170億ドル(約1兆7千億円)もの金融支援を決定したようである。

IMF ウクライナへ1.7兆円超融資承認

5月1日 9時15分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140501/t10014148451000.html

IMF=国際通貨基金は、ウクライナが財政破綻に陥る事態を回避して経済の立て直しを後押しする金融支援として、日本円で1兆7000億円を超える融資を行うことを承認しました。
ウクライナへの国際的な支援で中心的な役割が期待されているIMFが今回融資を正式に決めたことを受け、世界銀行などの国際機関や、アメリカ、EU=ヨーロッパ連合、それに日本などによるウクライナへの支援も本格的に始まる見通しです。

これは、世銀が予定している30億ドルの融資をはるかに上回る額となる。

参考:
ウクライナ、年内に30億ドル支援受ける可能性=世界銀行

2014年 3月 11日 09:35 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303565804579431883849419714.html

 【ワシントン】世界銀行は10日、ウクライナの新政権が年内にも30億ドル(約3090億円)の資金を世銀から調達できるとの見解を示した。これには、最大10億ドルの予算支援が含まれる。

IMFと世銀がそれぞれどのような勢力の下に在る組織なのかは以前にも述べた通りである。要するにIMFが米英勢力(自由主義陣営)であり、世銀がグローバリスト勢力(共産主義陣営)と考えて良いだろう。とはいえ、グローバリスト勢力は目下、IMFの乗っ取りを画策しているわけだが。

参考:
2014年4月16日水曜日
IMF改革案:IMF乗っ取りを謀るグローバリスト。

IMF ファクトシート - 2009年6月
http://www.imf.org/external/np/exr/facts/jpn/imfwbj.htm

IMFと世界銀行

国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、国連システムの中の姉妹機関です。両者は加盟国の生活水準の向上という共通の目標を掲げています。その目標達成へ向けた両者のアプローチは相互補完的で、IMFがマクロ経済の課題に注力する一方、世界銀行は長期的な経済開発と貧困削減に主眼を置いています。

「ブレトン・ウッズ体制」の目的とは何でしょうか?

IMFと世界銀行は1944年7月米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズで開催された国際会議で設立が決定されました。この会議の目的は、より豊かで安定した世界経済を実現するために、経済協力・開発の枠組みを構築することでした。両組織にとって、この目的は現在でも重要な柱となっていますが、その活動内容は経済を取り巻く新たな状況と課題に対応しつつ進化を続けています。

IMFの役割:IMFは国際通貨協力を促進するとともに、加盟国が力強い経済を構築し維持できるよう、政策助言や技術支援を行っています。またIMFは、国際収支上の純債務額に見合うだけの十分な資金が支払い可能な条件で調達できないといった国際収支上の問題に直面している国々に対して融資を行うと共に、その解決に向けた政策プログラムの立ち上げについても支援を行っています。IMFの融資は比較的短期間のものが多く、その主たる財源は加盟国が拠出するクォータ(出資割当額)です。IMFのスタッフは主にマクロ経済や金融政策の分野で幅広い経験を有するエコノミストです。

世界銀行の役割:世界銀行は、特定のセクターの改革ならびに特定のプロジェクト(学校や医療センターの建設、水や電力の供給、疾病対策、環境保護など)の実施に際し、技術・経済的支援を行うことにより、加盟国の長期的な経済発展と貧困削減を支援しています。世界銀行の支援は基本的に長期的なもので、主な財源は加盟国からの出資金及び債権の発行により賄われます。世界銀行のスタッフは、特定の課題やセクターならびに技術のスペシャリストにより構成されます。

今ウクライナで起きていることは、新冷戦の氷山の一角であり、それは米英と中露の戦い、ひいては自由主義と共産主義の勢力争いなのである。それは、東西に分かれていた時のドイツの構造と全く同じものと見て良いだろう。

ここにきて親中共・親露なオバマ米民主党政権は、冷戦構造を再構築し、世界を再び不安定化させている。それは共産主義者にとっては都合の良いものである。俺が「オバマはロシアの優秀なスパイなのでは」と考える理由のひとつはそこにある。

参考:
2014年3月3日月曜日
オバマはロシアの優秀なスパイなのか。

P5(国連常任理事国=戦勝国)が非P5諸国をエネルギー供与で飼い殺す。これはまさに、共産主義者主導で進められた、大戦終結直後の世界の支配構造そのものである。

参考:
2014年3月9日日曜日
ウクライナ情勢と米国シェールガス輸出解禁の動き。
2014年3月7日金曜日
ウクライナ:米露の掌の上で踊るEU。
2014年3月4日火曜日
ウクライナ:オバマの対露制裁とサハリンの天然ガス。

だが、共産主義国が殆ど壊滅状態となった今の世界を見ても分かる通り、今後のグローバリスト勢力(旧共産主義勢力)による世界支配も再び失敗に終わることが容易に予想できる。というのも、終戦から半世紀以上を経た今も、大衆の根本的な考え方や行動パターンは殆ど変わっていないからである。

共産主義者がどんなに看板を架け替えたり化粧したところで、所詮は共産主義者に過ぎない。大衆を無欲にするか、ロボットにでもしない限り、共産主義イデオロギーによる世界支配が巧く行くわけがないのである。

参考:
2014年1月22日水曜日
中共政権はソ連崩壊を再現するか。

というわけで、やはり長期的に見れば、ウクライナも西側が優勢となる一方、東側はロシア依存の怠惰な住民による社会保障費圧迫で最終的には強烈に貧困化していくと見ている。グローバリスト勢力側の世銀は“貧困対策”と称し、東側にせっせと金融支援を行うことが予想されるが、彼らの支援が逆に貧困者を増加させるという皮肉な結果となるだろう。

東西分裂直後の東ドイツの人々もきっと、今のクリミアの親露派のように浮かれて踊っていたのだろう。

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