アフリカのガンビア、台湾と断交-中国との国交はまだ樹立せず - Bloomberg 2013/11/16 14:50 JST
11月15日(ブルームバーグ):西アフリカのガンビア政府は台湾との断交を発表した。中国が台湾の主権を認める国々に接近を図るなか、台湾との正式な外交関係を持つ国が1つ減ることになる。
台湾外交部(外務省)アフリカ局長のデービッド・ワン氏は15日の会見で、これはガンビアのジャメ大統領の「個人的な決定だ」との見方を示した。
ガンビア - Wikipedia
ガンビアはパレスチナを国家承認しており、イスラエルの存在を認めていない。背景としてガンビア国民のほとんどがイスラム教徒であるため、同じイスラム教徒であるパレスチナ人に対して非常に同情的であることが挙げられる。またガンビアの大統領ヤヒヤ・ジャメは厳格なイスラーム主義者かつ、徹底した反米・反イスラエル主義者でもあり、ガザ紛争 (2008年-2009年)においてはイスラエルを激しく非難している。このため、同じ反米路線を採る国であるイランやシリア、ベネズエラといった国との関係を強化している。
また世界で数少ない、中華民国(台湾)の承認国でもある。しかし、2013年11月15日、ガンビアは台湾と国交を断絶したことが判明した。「国家の戦略的利益のため」としている。
ジャメ大統領は上記の通り、生粋の反米主義者であり、ガンビアが台湾との国交を断絶するのは、それほど驚くほどのことでもない。寧ろガンビアが今まで台湾との国交を樹立していたことの方が異常だったとも謂えよう。
恐らくガンビアは、今になって国内情勢が不安定化する中国から「そろそろ平常運転に戻れ」と圧力を掛けられたのではないだろうか。中国外務省は、「われわれも海外のメディアからの情報で知った。中国とガンビアが事前に接触したことはない」(ソース:Bloomberg)などとトボけているようだが。
まぁ何れにせよ、今後は、不安定化するであろう中東情勢のトバッチリを回避すべく(サウジアラビア核武装の必然性。2013年11月10日日曜日)、“反米・反イスラエル”を態度に示す国が他にも続出しそうな気配ではある。
サウジアラビアとイスラエル イラン攻撃の計画 - ロシアの声 17.11.2013, 11:36
イスラエルとサウジアラビアは共同で、イラン攻撃の計画を策定している。
サウジアラビア側は、イスラエルのナタニヤフ首相が軍事作戦を決断した場合、領空の使用も認める意向だという。
今回のガンビアの姿勢は、台湾の今後の立ち位置の難しさを物語っている。それは、恐らく日本以上に難しい立ち位置であろう。
台湾が今後TPP参加の動きを強めれば、中国共産党政権は今回のように、台湾に対して更なる圧力を間接的に掛けてくるかも知れない。(台湾、TPPへ参加希望表明 米と6年ぶり経済協議 - 朝日新聞 2013年3月11日0時13分)
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