独、大連立樹立で合意 第1次メルケル政権以来 社民党員投票 最後の壁
MSN産経 2013.11.28 08:26
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131128/erp13112808290002-n1.htm
【ベルリン=宮下日出男】ドイツのメルケル首相率いる保守系与党、キリスト教民主・社会同盟と最大野党の中道左派、社会民主党は27日、次期政権樹立で合意、連立協定書をまとめた。両党は9月の総選挙後、政策協議を進めていたが、互いに歩み寄る形で一致。社民党は協定の承認を党員投票に付す方針で、承認が得られれば、2005~09年の第1次メルケル政権以来の「保革大連立政権」が発足する。
合意によると、社民党が選挙公約の目玉として主張していた時給8・5ユーロ(約1200円)の最低賃金制度の導入や、外国人の親を持つ子供の国籍選択義務の廃止、上場企業の監査役会に対する女性役員の3割起用義務化などで同盟側が歩み寄った。
経済面での合意を見ると、「最低賃金制度の導入」や上場企業の監査役会に対する「女性役員の3割起用義務」などが上げられるようである。
DAX指数は相変わらず堅調に推移しているが(DAX指数:9,351.13)、この報道を受けてユーロは値上がりしている(USD/EUR:0.7369、EUR/JPY:138.7)。
米財務省は先日、「ドイツの内需の伸び悩みと輸出依存型経済がデフレバイアスを生じさせている」と指摘し、メルケル首相自身もドイツの内需拡大の必要性を訴えているわけだが、今回の大連立政権樹立に向けての合意は、メルケル首相の経済政策を形骸化させてしまう虞れ(おそれ)がある。(参考:米財務省:中国の為替政策よりもドイツの経済政策を批判。2013年10月31日木曜日)
企業活動がグローバル化した今、最低賃金制度などの雇用政策は逆に失業率を高め、ドイツの景気にも水を差してしまうだろう。
先進国への資金還流が始まっていることには最早疑う余地もないが(参考:「新興国から先進国への資金還流」という世界的潮流が数字に顕れ始めた様だね。2013年8月3日土曜日)、その恩恵を享受できるのは、経済政策において官僚的規制を撤廃し、経済を拡大均衡する道筋を立てることができた先進国のみである。
大連立政権発足後もドイツで好景気が続いたとしたら、それはある意味“奇跡”だと考える。(参考:ドイツ総選挙:大連立が経済を停滞させるか。2013年9月23日月曜日)
0 件のコメント:
コメントを投稿