東電、本県に最新石炭火力 数千人の雇用創出
福島民報 2013/11/24 08:31
東京電力が三菱グループ3社と共同で、本県に石炭ガス化複合発電(IGCC)を採用した最新鋭の石炭火力発電設備を2基建設することが23日、分かった。いわき市の常磐共同火力勿来発電所と広野町の東電広野火力発電所の敷地内に1基ずつで、出力は計約100万キロワット。原発1基分に相当し、平成32年ごろの運転開始を目指す。原発政策の将来像が不透明な中で、火力の増強により十分な供給力を確保する。数千人規模の雇用創出や地域経済の活性化が期待される。
投資額は約3千億円の見込み。三菱重工のほか三菱商事、三菱電機が出資する。資金力が低下している東電の出資比率は1割未満にとどまる見通し。
外部資本の活用により少ない資金負担で設備を増強したい東電と、国内外で受注が期待できる最新鋭設備で実績をつくりたい三菱側の思惑が一致した。
http://www.minpo.jp/news/detail/2013112412332
石炭の契約価格、東北電とエクストラータが約20ドル安で合意=業界筋
ロイター 2013年 04月 12日 11:27 JST
[パース/東京 12日 ロイター] 東北電力(9506.T: 株価, ニュース, レポート)とエクストラータXTA.Lのオーストラリア産発電用石炭の年間契約価格(4月1日からの1年)交渉は、業界筋によると、前年より約20ドル安い95ドル/トン(T)で決着したもよう。
価格は大半のアナリストの予想に見合った水準。他の日本の電力会社の契約価格もこの水準になると予想されている。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE93B01D20130412
石炭 - Wikipedia
現在稼動中
石炭価格の高騰にともない国産石炭でもコスト競争力をもつようになってきたため露天掘り炭鉱が次々と開発される。また福島第一原発事故後、国内の原子力発電所が順次運転を停止する中、電力会社は電力の安定供給のため、既存の石炭火力発電所をフル稼働させるようになったため、採掘事業者に対して増産を求める動きもある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E7%82%AD
2008年頃には140ドル/トンまで上昇した石炭(一般炭)の国際相場も今は落ち着いており、現在は、90ドル/トン付近で推移している。一方で国内炭が大体13,000円(130ドル)/トンだから、2008年ほどではないにしても、採算が改善してはいるようである。
参考1:国内炭と海外炭の価格差推移 - 資源エネルギー庁
参考2:国際的なエネルギーコストの比較 - 資源エネルギー庁
今後更に円安が進み、ドル円相場が130円以上になれば、国内経済復活のためにも、政財界をあげて国内炭の積極的利用を促すべきだろう。
ただし、それまでに確実にクリアしておかねばならない問題がある。それは、現在の日本経済の“鎖国体質”である。
日本経済は官僚主導の人治的な輸入規制が災いし、輸出に比べて輸入が異様に少ない。そのため、外貨を稼ぐ国内製造業の経営が圧迫され続けている。彼らが稼いだドルは従業員の給料の支払いなどのために必ず円転しなければならないわけだが、その巨額のドルをぶつける相手=輸入業者が国内に乏しいため、ドルの需要と供給の関係から常に円高方向に進むのである。つまり、円転する毎に激しい円高に見舞われ、その度に輸出産業は自らの経営を圧迫することになるのである。
今の経済構造を残したまま国内炭でエネルギー自給率を高めようものなら、日本の製造業は壊滅するか、さもなくば海外に拠点を移すしか無くなるだろう。それでは、国内経済は逆に衰退するだけである。そんなことなら、今まで通りに輸入炭に頼っておけば良かった、ということになりかねない。
ということは、国内の石炭産業を復活させるには、現在の“消費者を犠牲にした輸入規制”を事前に取り払っておく必要があるということである。
輸入を増やして消費の選択肢を増やすことは、国民の利益にも繋がることである。一方で、本分を忘れた産業モドキを異常な関税で守り続け、そのツケを納税者と消費者に負担させることは、間違いなく国益に反するし、持続不可能な行為である。
そういう意味では、やはり、日本はTPP交渉で関税完全撤廃を行い、日本経済を牽引する自動車産業などの“足枷”を取り外してやる必要があろう。そして、今まで国に保護され続けて改善することを忘れてしまった国内農業も、今後は持続可能な形に変える(帰る)必要があろう。(参考:TPP交渉:農業団体保護が日本の産業の背骨を折る。2013年11月17日日曜日)
それらの課題がクリアできた段階で、日本の炭鉱復活も視野に入れるべきだと思われる。
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