重水炉放棄せず=今後の核協議に影響も―イラン
時事通信 12月1日(日)22時10分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131201-00000080-jij-m_est
【カイロ時事】イランからの報道によると、国営イラン放送のウェブサイトは1日、サレヒ原子力庁長官が西部アラクに建設中の重水炉について、「越えてはならない一線」と述べ、放棄しない意向を示したと伝えた。
重水炉は、核兵器の原料ともなるプルトニウムを製造する施設。イランと欧米など6カ国の間で成立した核問題をめぐる第1段階の合意は、重水炉の将来の在り方を明確にしておらず、包括的な合意を目指す今後の協議の阻害要因になる恐れがある。
IAEA イランの重水炉に立ち入りへ
NHK 11月29日 5時12分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131129/t10013433181000.html
IAEA=国際原子力機関は、イランの核兵器開発につながりかねないと懸念していた建設中の重水炉へ来月8日に立ち入ることになり、イランの核開発問題を解明する一歩となることが期待されます。
IAEAの天野事務局長は28日にオーストリアのウィーンで開かれた理事会で演説し、イランでプルトニウム型核兵器の開発につながりかねないと懸念していた西部アラクに建設中の重水炉について、来月8日にIAEAの立ち入りを認めるとイランが伝えてきたことを明らかにしました。
IAEAは、2年以上この重水炉を訪れることができず十分な情報を得ることができませんでしたが、今月、IAEAとイランが合意した新たな協力の枠組みの中で、イラン側が立ち入りを認めることになっていました。
重水炉とは、核兵器製造目的以外に合理的な説明が付かない原子炉である。イランの重水炉が核武装を目的にしたものであることは誰の目にも明らかである。
イラン核問題六カ国協議で常任理事国+ドイツの六カ国側がイランの重水炉建設をも認めてしまえば、中東のパワーバランスが不安定化することは必至である。(参考:サウジアラビア核武装の必然性。2013年11月10日日曜日)
イラン核合意、核拡散を招く恐れ アラブ諸国が懸念
WSJ 2013年 11月 30日 18:25 JST 更新
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304471504579229392123051128.html
アラブ諸国やイスラエルの政府関係者によると、イランをライバル視する政府が多い中東地域で特に核拡散の恐れがあるという。
主要アラブ諸国の政府高官はイランのウラン濃縮を容認することに懸念を表明していた。サウジアラビアでは、トルキ・アル・ファイサル王子など王室のメンバーが最近、イランへの対応次第ではサウジが核兵器を開発するか購入する可能性があると述べた。
サウジ王室のある主要人物はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、サウジ政府はイランの脅威に対抗する手段として、パキスタンから核兵器を簡単に購入できると述べた。
アラブ諸国の外交官や核拡散の専門家によると、米英など6カ国がイランがウランを濃縮することを容認したことで、他の国も次々に同じ権利を求める恐れがあるという。
そう考えると、当ブログで以前にも述べた通り、“中東の不安定化”こそが寧ろ米露間の合意と考えることも出来そうである。もし本当に米国が中東の主導権をロシアに委譲するのだとすれば、これから始まるかもしれない中東戦争は、中東地域の新秩序構築に向けての大掃除としての役割を果たすことになるのかも知れない。(参考:中東地域をロシアに委譲する米国。2013年11月7日木曜日)
その裏合意で米国とロシアは、中東地域とアジア・太平洋地域の主導権をバーターした可能性も在るのではないかと見ている。仮にそうだとすれば、ロシアは今後、国連の枠組みにおいて、中国との連携姿勢を転換することも考えられる。
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