2014年4月22日火曜日

不動産:ネット取引解禁で海外資金は流入するか。

https://surouninja.blogspot.com/2014/04/foreigners-might-rush-to-japan-by-the-ban-on-real-estate-online-trading.html
国交省が遂に不動産取引オンライン化を解禁する方針を固めたようである。

不動産ネット取引解禁へ 国交省が24日に有識者検討会

2014.4.22 14:43 [ネット社会]
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140422/biz14042214430018-n1.htm

 国土交通省は不動産の売買や賃貸など取引で、オンライン取引を解禁する方針を決めた。24日に有識者による検討会を立ち上げ、6月に中間取りまとめを行い年内に結論を出す。太田昭宏国土交通相は22日の会見で「高齢者をはじめとする取引保護なども踏まえて検討したい」と規制緩和に前向きな姿勢を示した。

少子高齢化の進む日本では、大きな持ち家に一人で生活している老人が増え続けているわけだが、高齢となり一人で生活不可能となった彼らが、今後は持ち家を相次いで手放し、多くの空き家が発生することが予想される。特に地方などでは、その傾向は顕著となるだろう。空き家になるだけならまだしも、その手の“人が住まなくなった家”というのは、急激に老朽化しやすく、そうなると最早小手先の修繕では修復困難な状態になる。つまり、解体費用の関係上、壊すにも壊せず、かと言って修復するのも困難で、ただ固定資産税だけが無慈悲に掛かり続けるという、“純負債”状態の物件があちこちで増えて、社会問題化することが予想されるということである。

しかも一方の都内では、東京五輪を見越したマンション供給が増加することが予想されるため、住まいの需給バランスを全体で見れば、間違いなく供給過多の状態に向かうだろう。

だが、今回の“不動産のネット取引解禁”は、この問題に対する一服の清涼剤となるかも知れない。

ネットから不動産契約が可能となることで、海外居住者による不動産購入という、新たな需要が確実に発生するからである。日本の空き家やオフィスは、海外富裕層の別荘としての需要のみならず、海外法人の事務所としてのそれも満たすことだろう。これは、アベノミクスによる景気回復にも間違いなくプラスである。

また、この動きは今後、高齢化社会でにっちもさっちも行かなくなっている地方にも、新しい風を吹き込んでくれるかも知れない。空き家の問題は、東京よりもむしろ地方の方が深刻であるが、海外からヒトとカネと情報が地方にも流入することで地方の活性化にも繋がるかも知れないのである。少なくとも、全く利用されず、解体もできず、ただ朽ちて行くだけの空き家を放置しておくぐらいなら、少しでも誰かに使ってもらった方が国土の有効活用にもなるというものである。

さて、この案件には新経連も関与しているようだが、既に「楽天」あたりが不動産ネット取引サイトなんかの青写真を描いてそうな予感である。というか、最近英語を社内公用語化した楽天が“海外向け不動産取引サイト”を念頭に置いていないと考える方が難しいだろう。

参考:
不動産のインターネット取引の実現に必要な規制改革

新経済連盟 2013年11月4日
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/kaikaku02/siryou1_1.pdf

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