オバマに国内まとめる力ない=TPP交渉で―麻生財務相
時事通信 4月25日(金)10時58分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140425-00000057-jij-pol
麻生太郎財務相は25日の閣議後会見で、環太平洋連携協定(TPP)交渉の日米協議で大筋合意が見送られたことについて、「どのみち11月の米中間選挙前に答えは出ない。継続せざるを得ないだろうと思っていた」と述べ、予想通りとの認識を示した。その上で、交渉難航の要因に関し、「オバマ(米大統領)に米国内をまとめ切る力はない。仮に閣僚レベルでまとまっても、議会を通る保証はない」と米側の国内事情を指摘した。
現在の米国は米民主党が政権を握っている。そんな米民主党は、基本的に自由貿易に反対である。また労組が支持母体ということもあり、米国の非効率な自動車産業が淘汰される可能性のあるTPPには、実は米民主党は断固反対しているのだ。国内で反TPPプロパガンダを垂れ流す農協(JA)と日本医師会だが、米民主党が彼らに混じって(もしくは資金を提供して)反TPP工作をしていたとしても何ら驚くべきことではないのである。
参考:
2014年2月24日月曜日
米民主党:TPP交渉における最大の障害。
2013年8月26日月曜日
TPP反対派が理解しておくべき「補助金」の話。
そもそも、現在の米議会は“捻れ”(ねじれ)の状態にあり、たとえオバマ大統領がTPP交渉で前向きな決断をしたとしても米議会(というか米民主党優勢の上院)がそれを通すわけがないのである。つまり、麻生財務相が今回言いたかったのは、少なくとも今年11月(2014年11月4日)の米中間選挙までは、その“捻れ”が解消することはない、ということなのだと考えられる。
まぁ、安倍政権がとんでもない売国的譲歩(米国での日本車の関税撤廃を放棄)でもしない限り、米民主党政権下でTPP交渉が前進することはないだろう。もちろん、それをやってしまったら日本経済はそれこそ最期だがね。
参考:
2013年11月17日日曜日
TPP交渉:農業団体保護が日本の産業の背骨を折る。
かなりのハードネゴシエーションが継続しているようだが、今後もTPP交渉の担当者には粘り強く(今年11月までは)交渉を続けて欲しいものである。
本当は「重要5品目の関税撤廃と日本車関税の撤廃」こそが日米ともに国益に適う着地点だと思うが、現実的に考えれば、最終的には日米両サイドの“声の大きな”既得権益者(日本の農協・医師会、米国の自動車労組)によってその理想が歪められて決着がつくのだろう。もちろん、それは非常に残念なことだが。
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