アフガン大統領選、元外相がリード 中間集計発表
2014年4月20日23時42分
http://www.asahi.com/articles/ASG4N5VF7G4NUHBI01R.html
今月5日に投票があったアフガニスタンの大統領選で、選挙管理委員会は20日、推定開票率約50%の中間集計を発表した。アブドラ・アブドラ元外相が得票率44%で首位。2位で33%のアシュラフ・ガニ元財務相に対するリードを広げている。退任するカルザイ大統領から後押しを受けたザルマイ・ラスール前外相は10%にとどまっている。
アブドラ氏は8人の候補者の中で唯一、少数派のタジク人などを支持基盤にしている。どの候補者も過半数に達せず、決選投票となった場合、民族問題が争点になる可能性がある。
この様子だとおそらくは、アブドラ候補が当選するだろう。念の為、現在トップのアブドラ候補と2位のガニ候補の“色分け”を見てみよう。
アブドラ・アブドラ - Wikipedia
1984年末からムジャーヒディーンに参加し、パキスタンの病院で医師として働いた。1986年~1992年、パンジシール峡谷の主任医師となり、アフマド・シャー・マスードの支配地の保健局長を務めた。1992年からブルハーヌッディーン・ラッバーニー大統領の報道官、外務次官。1990年代中盤から北部同盟の外務相。
2001年11月、ボンで開かれたタジク人の会議において、ハーミド・カルザイ暫定政権の外務相として承認され、正式な政府発足後もこのポストを保持した(2003年6月~2006年4月)。
2009年1月、アメリカを訪問した際、「バラク・オバマは、カルザイの4人の後継者を面接した。彼はその1人だ」と評された。野党ブロック、アフガニスタン国民戦線から大統領選に出馬。8月20日の投票では、30%を得票し、カルザイ(49.6%得票)の有力な対抗馬となった。長期間の紛争の末、投票7日前の11月1日に立候補を取り下げた。
カルザイ政権が進めるターリバーンとの和解や武装放棄した一部のターリバーンの政治参加については一貫して反対しており、逆に対話ではターリバーンを再び勢いづかせるだけだと述べている。
アシュラフ・ガニー - Wikipedia
ソ連軍侵攻以前はカーブル大学で教えていたが、侵攻後アメリカへ移住。ジョンズ・ホプキンス大学などで教鞭を執った後、1991年から世界銀行につとめており、暫定行政機構が発足するのに伴って帰国した[3]。
ハーミド・カルザイの暫定政権で財務相を務めた。コフィー・アナン国連事務総長の任期満了に伴う後継候補として2006年9月15日に立候補表明をしたラトビアのヴァイラ・ヴィーチェ=フレイベルガ大統領に続いて9月18日に立候補表明をした。その後、韓国の潘基文外交通商相なども含め立候補者は7人となり最終的には潘基文が次期国連事務総長に選ばれた。
2009年のアフガニスタン大統領選挙に出馬したが、4位だった。
アブドラ氏が米英勢力で、ガニ氏がグローバリスト勢力であると予想される。
最有力のアブドラ氏が当選すれば、アフガニスタンの親米英政権は強固なものとなり、同国のグローバリスト化は阻止されるだろう。これは逆に言えば、中国による対アフガン資源投資が危機に晒される可能性が高まるということでもある。
一方、ロシアもまた同国に非常に関心を持っているわけだが、同国で“麻薬撲滅”というスローガンを共有する米国とロシアは今後も協力関係を続けることが予想される。つまり、今後アフガンでのプレゼンスを失ってしまう可能性のある国は、“中国のみ”ということになる。
参考:
米国にとってはアフガニスタン問題におけるロシアからの支援、ウクライナ紛争より大事
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_20/271450164/
米国はアフガニスタンをめぐるロシアとの協力を停止することは不可能と見ている。米国国務省副補佐官アイリーン・オコナー氏が述べた。
オコナー氏は、配備や装備に関するロシアとの共同作業を高効率的と評価し、麻薬貿易取締りについてもロシアとの協力が必要であるとし、さらに、アフガニスタンの安定化については米国とロシアの利害は一致している、と強調した。
またオコナー氏は、米国には中央アジアがパートナーの二者択一を迫られるように仕向けるつもりはないとし、同地域の多くの国でロシアとの長期的な経済的・文化的結びつきが出来ていると指摘した。
Vesti.ru
更に、タリバンと密接な関係を持つパキスタンも最近は親米英に流れているため、やはり今後のアフガニスタン情勢は米英主導の下で安定化して行くものと予想される。
参考:
2013年10月22日火曜日
パキスタン:米軍事支援受け入れ再開と中国依存からの脱却。
だが万が一、ガニ氏が当選するようなことになれば、アフガンが再び泥沼化する虞も出てくるだろう。グローバリスト勢力が政権を握った国は秩序が確実に乱れる、というのが現代の常である。
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