伊藤忠「朝型勤務シフト」5月から正式導入 試験中に4%コスト削減
SankeiBiz 2014/4/25 08:15
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140424-00000031-biz_fsi-nb
伊藤忠商事は24日、昨年10月から試験導入した「朝型勤務シフト」を5月1日から正式に導入すると発表した。国内勤務社員約2600人が対象。
基本的な勤務時間を午前9時から午後5時15分とした上で、午後8時以降の深夜残業を原則禁止する。
この結果、会社が支払う残業代は7%減った。会社側が健康管理のため無料提供するバナナやヨーグルト、おにぎりなどの軽食代を差し引いても約4%のコスト削減を実現、電気使用量も減った。
「効率的な働き方で労働時間が減り、仕事と家庭の両立支援、健康管理にもいい」(小林文彦常務執行役員)と期待以上の効果があったという。
人間は本来、日の出と共に起き、日没と共に寝る動物である。そういう自然のサイクルに合わせた生活をする方が、何をやるにしても効率が良くなるものである。
だが、そんな当たり前のことが当たり前にできないのが今の日本社会である。
夜明けとともに行動できない人々というのは、都会に住む人々に(田舎でさえも都会的な消費生活に慣れてしまっている人々には)多く見られる。その原因はもちろん、夜遅くまで煌々と光る蛍光灯の下でテレビを見るという、彼らの残念な現代的生活スタイルにあることは言うまでもない。
夜中に明るい照明の下で過ごせば、体が副交感神経を優位にすることは難しく、何時まで経っても眠気は来ない。また、テレビからの光の物理的刺激と思考に与える刺激もまた、その悪影響を更に増幅させている。たとえそのような興奮状態のまま眠気が来たとしても、体の芯から休まるほど眠ることはできない。このような生活は、体のみならず精神状態をも不安定にするのである。
都会的な生活をしていると、人間はどうしても動物としての本能のようなものを忘れてしまいがちである。夜には極力刺激を避けるという人間としての本能的行動もまた、ついつい忘れ去られがちなのである。夜中の照明とテレビが人間の副交感神経の作用と思考力を破壊しているのである。
夜にはなるべく暗い中で静かに時を過ごすか、せいぜい間接照明にして本を読むぐらいにしておくのが、心身ともに健康を保つ基本であろう。テレビやラジオを一切遮断して、家族でのんびり会話をするのも夜の時間をリラックスして楽しむ一つの方法である。
そういう生活スタイルに切り替えると、夜になると体が自然な眠気を催すようになるし、朝になれば日の出と共にスッキリと目が覚めるようになるものである。そのような状態で過ごす朝の時間はとても貴重である。頭はスッキリ冴えるし、体も軽やかに動くし、何をするにしても効率が良いからである。早寝早起きの人も遅寝遅起きの人も一日の活動時間は大して変わらない、ということにも注目すべきだろう。
企業のコスト削減も大いに結構だが、従業員を馘首することだけが人件費削減ではない。むしろ従業員を効率的に働かせる環境づくりこそが実は重要なのではないかと思っている。
そんなわけで、この伊藤忠の取り組みは、個人的にはとても評価している。こういう、“小さなことだが効果的な取り組み”を普通に導入できるところは、この会社の強みなのかも知れない。こうやって人とカネを少しでも効率的に回せる会社こそが長い目で見れば勝者となるのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿