2015年12月11日金曜日

九州電力が北海道壮瞥町で地熱発電を検討、北海道電力と共同で

https://surouninja.blogspot.com/2015/12/Kyushu-Electric-Power-plans-new-geothermal-power-plant-in-Sobetsu-Hokkaido.html?m=0
九州電力が北海道電力と共同で活火山「有珠山」のある北海道壮瞥町で地熱発電所の建設を検討しているとのことである。実現すれば九電にとって九州以外で初の地熱発電となる見込みである。この動きは来年度(2016年4月)から始まる電力小売り自由化に向けた取り組みのようである。

http://www.sankei.com/region/news/151211/rgn1512110049-n1.html
2015.12.11 07:10更新

九電、北海道で地熱開発 小売り自由化にらみ検討

 九州電力が、北海道壮瞥(そうべつ)町で地熱発電所の建設を検討していることが10日、分かった。平成28年4月に始まる電力小売り自由化に向けた取り組みの一環で、北海道電力との共同事業になる見込み。実現すれば九電にとって九州域外で初の地熱電源となる。

 壮瞥町は活火山の有珠山があり、熱源が豊富とされる。26年度から石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)から助成金を受け、地熱資源開発に向けた調査に着手している。九電と北電は壮瞥町の調査結果を踏まえて、事業性の可否について判断する。

 九電グループは地熱発電分野で調査から掘削、建設まで一貫して担う技術を持つ。

 現在、九州管内で大分県九重町や鹿児島県指宿市などで出力計約21万キロワットの地熱発電所を保有しており、発電規模で全国の約4割に当たる。

 本年度からの中期経営計画では、42年までに国内外で計80万キロワットの地熱電源を開発する目標を掲げており、北海道のほか、東北でも情報収集を進めている。

九州電力はグループ内に地熱発電の調査から掘削、建設までの一貫したノウハウを持っており、この分野では同業他社よりも一歩抜きん出ている。地熱での発電容量も九州電力が国内トップクラスである。

地熱発電は長期的に発電量が減衰するという問題はあるものの、太陽光発電と異なり昼夜問わず発電できるため、ベースロード電源に十分に成り得る電源である。エコカルトの既得権を守るためだけの無意味な規制(例えば環境省の「温泉法」など)を緩和できれば、地熱発電が普及する可能性はかなり高い。

参考:
2014年8月17日日曜日
地熱開発:ようやく重い腰を上げる環境省。

発電コストの面で見ても、地熱発電にはアドバンテージがある。例えば、減価償却が終わった九州電力の八丁原発電所はなんと7円/kWhの発電コストを実現している。これは安いと言われている石炭火力(約10円/kWh)よりも安い。

また、太陽光がFIT価格引き下げで徐々にフェードアウトが確定している一方、地熱の買い取り価格はまだまだ高く、15,000kW以上 26円+税/kWh or 15,000kW未満 40円+税/kWh となっている。原子力規制委員会の理不尽な妨害により原発再稼働が簡単には行かなくなっている今、電力会社は原発停止の穴を埋める安価な電源を模索せねばならない。そういう意味では九州電力が地熱発電に本腰を入れるのも必然と言えるだろう。

色々と問題の多い民主党政権の置土産のFIT制度だが、将来的に日本経済に寄与し得る電源開発のために使われるなら国民も多少は我慢できるだろう。少なくとも中国韓国を利するだけの太陽光に補助金と電気料金が流れるよりは何百倍もマシといえよう。

地熱は再生可能エネルギーの主役と成り得るのだ。

とは言え、日本のベースロード電源の中心はやはり「原発」以外にはないだろう。日本が安いLNGを安定供給できるルートを確保できるまでは、原発は日本経済から絶対に切り離すことのできない最重要なベースロード電源なのである。

関連:
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