個人の主義主張とは別に、反対であれ、賛成であれ公正な議論こそが重要であると考えているが、今回の消費税の集中点検会合の人選はあまりにも偏向しすぎではないか。特に最終日の8月31日の第2回目の経済・金融の有識者の会合のメンバーに、増税そのものへの反対を明確に唱える人は1人もいなかった。
消費税は売り上げにかかるために赤字の企業でも支払いの義務が生じるが、「赤字企業が法人税を支払わなくて済むことは、その企業にとっても経済全体にとっても有効である。たとえどんなに効率的で革新的な新規ビジネスであっても、収益構造が確立するまではある程度の時間がかかる」とし、さらに仮に、赤字の繰り越し機能付きの法人税をなくし付加価値税を導入するほうが、付加価値税なしで高い法人税を設定するよりも企業を助けるという前提について「これでは急激な景気後退局面では、たとえ効率的な企業であったとしても、単に一般需要が落ち込んだという理由だけで多くの企業が赤字企業となってしまう」と記す。
新しい挑戦の芽を潰すことはしない、それが消費税・付加価値税採用を見送り、法人税に依存する理由とするのはいかにも米国らしいではないか。
消費税増税が個人消費を冷え込ませてアベノミクスを失敗させる原因となることは言うまでもないが、それだけでなく、将来の日本経済の芽を摘むことにもなりかねないのである。芽を摘まれてしまうのは、何も有望な国内電子書籍産業だけでは無いのである。