2013年7月7日日曜日

エジプトやトルコの不安定化でNY原油先物が1年2ヶ月ぶりの103ドル台。原油・ガス価格連動型経済のロシアには朗報となるか。

https://surouninja.blogspot.com/2013/07/ny12103.html?m=0
エジプトの軍事クーデターやトルコの反政府デモの影響でNYMEXの原油先物相場が1年2ヶ月ぶりの103ドル/バレルに突入した様である。


時事通信 7月6日(土)7時44分配信
NY原油急伸、103ドル台=1年2カ月ぶり
【ニューヨーク時事】週末5日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、良好な内容の米雇用統計やエジプトをめぐる地政学的リスクの高まりを背景に急伸した。
取引の中心となる限月として2012年5月2日以来、約1年2カ月ぶりの高値で終了した。 

アベノミクスによる円安で大企業の景況感が上昇している一方で、輸入エネルギーに依存する日本国民にとっては厳しい状況と謂えよう。

だが一方で、原油高の恩恵を受けるロシア経済は、今後も原油・ガス価格の上昇と連動して堅調に推移すると考えられる。

ロシアの石油生産量は、世界第一位のサウジアラビアと粗(ほぼ)互角である。そして、天然ガス生産量においても、シェールガス革命で生産量を急激に増やしている米国に世界一の座を譲り渡したものの、此方も粗(ほぼ)互角である。原油・ガスが主な輸出品目であるロシアの経済は原油相場に敏感に反応するのである。

中東の不安定化が偶発的なものなのか、それとも意図的なものなのかは扠置き、“中東の不安定化=原油高”がロシア経済にとって好都合であることだけは確かである。勿論、シェールガス革命に沸く米国経済にとっても同じ事が謂えるわけだが。

2012/12/20 7:00
[FT]LNG価格引き下げに動く日本 原油連動解消へ - 日経新聞
原油連動型からの切り替えは欧州のガス市場でかなり進んでいる。特にドイツのガス・電力会社はロシアのガス大手ガスプロムに、以前より柔軟な価格と契約条件を求めた。ガス専門のコンサルティング会社ベンテク・エナジーのアナリスト、ハビエル・ディアス氏は「アジアは欧州の経験から学べる」と話す。

 ガスプロムはガスの販売価格を原油市場から切り離すことを余儀なくされ、ドイツのエーオンやRWE、イタリア炭化水素公社(ENI)、フランスガス公社、ポーランドのコストは下がった。

2013年02月23日10:43
北方領土問題に日本も前向きに取り組むべき理由 - Market Hack
最近ではポーランドを中心に中欧でもシェールガスが出るということがわかりました。ポーランドから天然ガスが出れば、ロシアの輸出に手ごわい競争相手が出現します。

事実、それを材料に、これまでブレントに連動していたロシアの欧州向け天然ガス価格の値決め方式を変えて欲しいという要求をロシアは受けています。

2013/6/21付
丸紅、ロシアからLNG 国営大手と長期輸入契約 値決め見直しも - 日経新聞
丸紅は2019年をめどにロシアから液化天然ガス(LNG)の輸入を始める。サハリン島近辺でLNG事業を計画するロシア国営石油最大手のロスネフチと長期輸入契約を結ぶことで21日、合意する。日本企業がロシアから長期輸入契約を結ぶのは09年に稼働した「サハリン2」に続き2プロジェクト目。中東や東南アジアに依存するLNGの輸入先を多様化する。丸紅は原油連動が基本の価格決定方式の見直しも求める考え

24.06.2013, 13:54
「ガスプロム」 アジア市場の石油指標への価格連動を提案 - ロシアの声
ロシアのエネルギー大手「ガスプロム」は、中国に輸出するガス価格をアジア地域の原油価格指標に連動することを提案している。
メドヴェージェフ副社長によると、「ガスプロム」は、日本に輸出された原油の平均価格(JCC: Japan crude cocktail)に連動させる考え。毎月、1キロリットルあたりの日本円で計算されるという。

2013年 07月 2日 11:53 JST
ガス輸出国フォーラムでロシアに支持、プーチン氏が自国モデル推進 - ロイター
[モスクワ 1日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は1日、クレムリンで開催されたガス輸出国フォーラム(GECF)首脳会議で、ロシアがガス輸出で採用している長期供給契約モデルを擁護し、これを破棄することは世界のエネルギー安全保障を弱体化させると警告した。
プーチン大統領は今回の会議で、ガス価格の決定について、ベネズエラのマドゥロ大統領、ボリビアのモラレス大統領、アルジェリアのベンサラ国民評議会議長から支持を獲得した。ただ、LNG最大輸出国であるカタールのアルサダ・エネルギー産業相は「われわれの価格決定力は、生産者だけでなく、消費者の利益にも基づくべきであることを覚えておく必要がある」と述べた。
プーチン大統領は会合後に記者団に対し「われわれはカルテルを望んでいない」と語り、すべての加盟国から石油価格をガス価格の指標とすることについて支持を得た、と明らかにした。

現状を見れば米国ではシェールガス革命によってLNG価格が暴落しているわけで、ロシアとしては今後も“原油連動”を採用して高値を維持し続けることは難しくなるだろう。

其れに若しロシアが今後もガス価格を“勉強”しなければ、日米関係は更に密接になるだろう。其れは日本がTPP参加に前向きな姿勢を見ても分かる通りである。

まぁ米国のシェールガス革命というもの自体が、原油ガス価格依存のロシアを追い込むための演出だとしても何ら不思議では無いがね。

俺個人的には、ガス価格交渉においてロシアが日本に歩み寄り、日露経済発展に新しい風を吹き込むことを期待している。




2013年4月30日火曜日
モスクワで行われた安倍・プーチン両首脳による日露首脳会談の要旨。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/04/blog-post_30.html

2013年4月4日木曜日
ロシア下院エネルギー問題委員長が日本のより低価格なロシア産天然ガス購入量拡大は可能と述べた様だ。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/04/blog-post_4.html

2013年3月5日火曜日
三菱商事がカナダ西部で開発しているシェールガスの対日輸出をカナダ政府が認可。日本向けシェールガス輸出は初。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/03/blog-post_5.html

2013年1月30日水曜日
ロシアで“北極海航路”の商用ルートを規制する法律が発効。北極海航路の本格運用開始の狼煙。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/01/blog-post_30.html

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