2015年6月18日木曜日

中国は人民元のSDR構成通貨採用という餌に釣られるか

https://surouninja.blogspot.com/2015/06/RMB-inclusion-in-SDR-basket-could-be-a-bait-for-China-economy-crash.html?m=0
IMFの古沢満宏副専務理事は昨日(2015年6月17日)、人民元がSDR構成通貨に採用される可能性を示唆したとのことである。今年はIMFの5年に1度のSDR構成通貨見直しの年だが、IMFの古沢氏は、今年が駄目だからといって次の見直し年の2020年に持ち越されるとは考えづらいと述べたようである。

引用元:産経
2015.6.18 06:00更新

準備資産、人民元の採用を示唆 IMFの古沢満宏副専務理事

 国際通貨基金(IMF)の古沢満宏副専務理事は17日、産経新聞のインタビューに応じ、準備資産にあたる特別引き出し権(SDR)の構成通貨について、「どこかの段階で人民元が入ってくる」と述べ、早期に採用される可能性を示唆した。
今年は5年に1度の見直しの年で、SDRの構成通貨は国際的な主要通貨と見なされるため、中国は4月の国際通貨金融委員会(IMFC)で、人民元を採用するよう働きかけていた。
「今年、だめだから2020年(に持ち越す)とは考えづらい」と述べ、人民元が早期に構成通貨入りする可能性を示唆した。

以下の引用の通り、人民元のSDR構成通貨採用について年内の採用は無いと思われるが、古沢氏の発言などから5年以内には実現する可能性は高そうである。

参考:
引用元:ロイター
人民元のSDR通貨採用でG7基本合意、年内実現には否定的
2015年 05月 30日 01:38 JST

[ドレスデン(ドイツ) 29日 ロイター] - 主要7カ国(G7)は同日まで独ドレスデンで開催していた財務相・中央銀行総裁会議で、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)通貨に採用されることが望ましいが、まずは技術的な見直しを完了させる必要があるとの見解で一致した。
ショイブレ財務相は「秋の見直しで人民元を採用するかどうかはIMFが決定することだ。個人的にはやや楽観的に思える」とし、年内の採用の可能性は低いとの考えを示唆した。

人民元のSDR構成通貨採用については既にG7でもコンセンサスとなっているわけだが、上記引用の示唆からも分かる通り、あくまでも人民元が完全に自由化されることが絶対条件であるものと思われる。

此処で言う人民元の自由化とは、「資本取引の自由化」「完全変動相場制への移行」(現在は管理変動相場制という事実上の固定相場制)である。「人民元の国際化」というのは、この二つが実現されなければ何の意味もない。以前から「人民元の国際化」に躊躇している中国だが、人民元のSDR構成通貨採用にはかなり前のめりである。だがG7はこの2つ(人民元の真の国際化)が実現されずに人民元をSDR採用するなどという虫の良い話を受け入れることはないだろう。

中国は今、米利上げによる資金流出(米国への資金還流)を目前に控え、ドル資金のショートを回避せねばならない状況に陥っていることが容易に想像できるわけだが、もしSDR構成通貨に採用されることになれば人民元での資金調達がしやすくなり急場も凌げるというわけである。G7は人民元のSDR採用という餌を中共の前にぶら下げて、人民元の真の国際化を狙っているのである。

おそらく中国は今後、背に腹変えられなくなり、上記の2つ(資本取引の自由化、完全変動相場制)を採用すると思われるが、そうなれば当然のことながら中国経済崩壊は確定である。

中国の強みとはズバリ、独裁政権配下の中国人民銀行の為替介入による事実上のドルペッグであり、その為替の安定性こそが外資を呼び込み中国経済を繁栄させてきたといっても過言ではない。だが、もしも中国が完全変動相場制への移行と資本取引の自由化を実施すれば、中国からの膨大なキャピタルフライトが発生することはほぼ間違いないだろう。貿易で最重要な“安定した為替”を失った中国にはぶっちゃけ何の魅力も残らない。後は人民元高とそれに伴うデフレにより、長期デフレ不況を経験した日本のように中国経済も当分の間失われ続けることになるだろう。事実上の中共傀儡となった韓国については国の存続すら怪しい。

まぁ既に個人資産を海外に逃避済みの中共幹部達にとっては、これから起きる中国経済の崩壊などは知ったことではないのかも知れないが、彼らも逃避先の米国で無傷で済むとは限らない。



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