2013年12月12日木曜日

東電:三菱グループへの火力会社の売却を想定か。

https://surouninja.blogspot.com/2013/12/tepco-may-sell-the-thermal-power-subsidiary-to-mitsubishi.html
東京電力と政府が取引金融機関に対し、連帯債務を送配電子会社のみが負うこととし、火力発電と小売の両子会社は免除するよう要請していることが明らかになったとのことである。


東電、火力子会社の連帯債務免除を金融機関に要請=関係筋

ロイター 2013年 12月 12日 13:07 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9BB03720131212

[東京 12日 ロイター] - 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)と政府の原子力損害賠償機構が取引金融機関に対し、東電が分社化した際の法的枠組みを変更するよう要請していたことが明らかになった。関係筋が12日、ロイターの取材に答えた。

具体的には、連帯債務を送配電子会社のみが負い、火力発電と小売りの両子会社は免除するという内容。競争激化が見込まれる火力発電事業で、東電子会社の財務的な独立性を強め、他社との合併・買収(M&A)を容易にするのが主眼だ。

東電の最新火力随意契約に 経産省作業部会

MSN産経 2013.12.12 12:24
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131212/trd13121212250007-n1.htm

東京電力が福島県内で計画する最新鋭の石炭火力発電設備2基(出力計100万キロワット)について、有識者による経済産業省の作業部会は12日、入札対象とせず随意契約にすることを認めた。
指針は「火力発電の高度化のための技術開発に資する設備建設」などの例外を認めており、会合では、東電が計画する「石炭ガス化複合発電」と呼ばれる技術と発電規模がこの例外に当たるとの認識で一致した。

石炭ガス化複合発電 - Wikipedia

日本では、経済産業省の支援の下で電力会社9社等の11法人が中心となって共同で開発に取り組んできた。1986年度(昭和61年度)から1996年度(平成8年度)までにパイロットプラント試験、1997年度(平成9年度)から2001年度(平成13年度)までに要素研究や設計研究を行い、2001年度から2012年度(平成24年度)までに株式会社クリーンコールパワー研究所が、常磐共同火力株式会社勿来発電所構内において、将来の商用機の二分の一の規模で発電効率・燃焼温度・発電量が少ない、42%・1,200℃・25万kW級の実証機の実証試験に取り組んだ(運転試験は2007年度から)[2]。この開発で大きな役割を果たしたのが三菱重工業で、結果として三菱重工は世界で始めて空気吹き・酸素吹き双方の石炭ガス化技術の開発に成功した企業になった[3]。

2013年4月1日から、クリーンコールパワー研究所を吸収合併した常磐共同火力株式会社が、実証機を転用した勿来発電所10号機の商用運転を開始した[4]。

常磐共同火力 - Wikipedia

常磐共同火力株式会社(じょうばんきょうどうかりょく、英: JOBAN JOINT POWER CO.,LTD.)は、東京都千代田区に本社を置く卸電気事業者。常磐炭田の低品位炭を活用した火力発電事業を目的に東北電力・東京電力と常磐地区の炭鉱会社の共同出資により設立された。福島県いわき市に火力発電所を有し、東北・東京両電力会社に電力の卸供給を行う。
沿革

1955年 - 常磐共同火力株式会社設立。
1957年 - 勿来発電所1・2号機営業運転開始。
2013年4月1日 - クリーンコールパワー研究所を吸収合併、石炭ガス化複合発電IGCC)実証機の営業運転を開始[1]。

東電と政府による今回の要請は恐らく、東電が三菱重工や経産省と開発を進めてきた「石炭ガス化複合発電」(IGCC)を売却することを想定してのものではないだろうか。売却相手は既に内定していると思われるが、相手は恐らく買収の条件として負債関係の切り離しを要求しているのだろう。政府が銀行団に対して無担保融資への切り替えを要請していることも、この辺が関係しているのではないだろうか。(参考:東電:政府が銀行団に無担保融資への切り替えを要請する理由。2013年12月12日木曜日)

で、その売却相手というのは恐らくこの辺ではないかと見ている。

東電、福島に新型石炭火力 病院は東京建物に売却

SankeiBiz 2013.11.25 05:50
http://www.sankeibiz.jp/business/news/131125/bsc1311250551000-n1.htm

 東京電力は、三菱重工業、三菱商事などと共同で、福島県内に新型石炭火力発電設備2基を建設する。合計出力は原発1基分に相当する100万キロワット規模で、2020年の運転開始を目指す。
 新型石炭火力は、三菱グループが9割超を出資する特定目的会社(SPC)が事業主体となり、東電や東北電力が出資する常磐共同火力の勿来発電所(福島県いわき市)と、東電広野火力発電所(同県広野町)の空き地に1基ずつ建設する。出力はそれぞれ50万キロワット。

これは、三菱グループによる東電の“救済”と見ることもできるし、穿った見方をすれば、同グループによる三井系列企業の“買い叩き”と見ることもできる。まぁ何れにせよ、東電再建のための選択肢は非常に限られているということだけは間違いなさそうである。

【関連リンク】
炭鉱:復活のための課題。2013年11月24日日曜日

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