此れにより今後は、乱立するFX事業者の淘汰が一段と進むだろう。
2013年08月30日
金融庁が仕掛ける、FX市場の“大転換” 店頭取引の急縮が起こる? - 東洋経済オンライン
近年、FX市場は取引所を介さない業者間の店頭市場(OTCマーケット)を主体に投資が行われ、市場規模も巨大化していたが、場合によっては、来年度(2014年度)には総合取引所を介した取引所取引に需要が向かうという、“大転換”が起こりかねない情勢になりつつある。
この背景にあるのは、金融庁が本日行った平成26年度(2014年度)税制改正要望だ。金融庁は同要望に「金融所得課税の一体化」を盛り込んだ。具体的には、現状、「金融商品に関わる損益通算の範囲が上場株式、公募株式投信に限られている」ことについて、損益通算範囲を「デリバティブ取引、預貯金まで拡大する」ことを盛り込んだ。
取引所取引と店頭取引に分かれているデリバティブ取引について、「とくに、総合取引所に係るデリバティブ取引については、早期に実現すること」を求めた。金融庁の要望通りになると、FX取引のうち、取引所取引の部分は損益通算が可能となる一方で、店頭取引の部分は損益通算の対象とならないという税制面での優劣が生ずることになる。
税制に敏感な大口の個人投資家(投機家)達の資金移動は予想以上に素早い。此の税制改正が実施されれば、取引所取引が活性化する一方で、店頭取引を専門的に行うFX事業者が経営難に陥る可能性は否めまい。唯でさえ手数料やスプレッドのダンピング競争に疲弊している彼等にとって、此の税制は“弱り目に祟り目”となるだろう。
“税制”の点だけを見れば、全ての損益を合算出来る法人(法人口座)なら態々(わざわざ)資金を移すメリットは無さそうに思えるが、店頭取引専門事業者の経営上のリスクが比較的高まることを考えれば、其の法人口座からも資金が流出することは十分に予想される。信託分別管理が行われているとは言え、矢張り投資家の多くは事業者破綻によるトラブルを避けたいと考えるだろう。まぁ店頭取引専門の事業者には客の証拠金をノんでそうな怪しげな所が多そうだしね。
取引所取引(くりっく365)を取扱うFX事業者は多々在るが、其の中でも法人口座の開設を積極的に受け付けている事業者は、今回の税制改正実施を見越して逃避先を探す法人口座資金の受け皿として、今後も着実に口座数を伸ばして行きそうな気がするね。
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