2014年9月30日火曜日

ブラジル:選択肢なき大統領選と絶望経済。

https://surouninja.blogspot.com/2014/09/Desperate-presidential-election-for-Brazilian-to-worsen-the-economy.html?m=0
来週(2014年10月5日)実施されるブラジル大統領選の支持率予想では、現職のジルマ・ルセフ大統領(労働者党)が、野党社会党マリナ・シルバ候補よりも優勢となっているようである。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HO26M20140929
ブラジル大統領選、ルセフ氏が9ポイント差でリード=世論調査
2014年 09月 30日 06:13 JST

[ブラジリア 29日 ロイター] - 調査会社MDAが29日公表した世論調査によると、10月のブラジル大統領選で決選投票が行われた場合の支持率予想は、現職のルセフ大統領が47.7%、野党・社会党候補のマリナ・シルバ元環境相が38.7%で、ルセフ氏が9ポイント差でリードしている。
第1回投票で過半数の票を獲得した候補者がいない場合、10月26日に決選投票が実施される。

市場の期待は、対抗馬のシルバ候補と云われているようだが、正直なところどちらの候補が勝利しようが大差はないだろう。どちらも左翼政党の代表格であり、経済政策は五十歩百歩だからである。仮にシルバ候補が勝利したとしても、議席数の少ない社会党は主導権を握れず、ねじれの状態で政治が停滞することは容易に想像できる。

Marina Silva - Wikipedia
In 1996, Silva won the Goldman Environmental Prize for South & Central America.

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0QY05Z20140828
シルバ氏の能力を不安視する声もあるものの、現職のルセフ大統領への不信感が根強いことが背景だ。市場では「シルバ候補はロシアンルーレットだが、ルセフ大統領は全部弾が入ったリボルバーだ」といった冗談さえ聞かれる。

シルバ氏をめぐっては「発言が二転三転する」「経験不足」「経済を犠牲にして環境政策を重視する」といった懸念が市場で出ている

ブラジルは、ゴールドマン・サックスの提唱したBRICSの一角として急速に経済発展してきた国の一つである。

だがルセフ政権の経済音痴に昨今の新興国から先進国への資金還流という世界的潮流も相俟って、ブラジル経済は長い不景気の迷路に迷い込んだと見て良いだろう。

そして、ここのところの原油価格の下落もブラジル経済には間違いなくマイナスに作用するだろう。

参考:
2014年9月16日火曜日
資源価格の下落と特亜経済の凋落。

さらに、これまで高金利で世界の投資家を魅了してきたブラジル債券も、先進国経済が好調で米国株高となっている今となっては誰も見向きもしない。ここでFRBの出口戦略の方向性が確定し、政策金利上昇機運(“強いドル”傾向)が更に高まれば、ブラジル経済は一気に吹き飛ぶだろう。新興国ブームと資源高に胡座をかき、的確な構造改革を進めてこなかったブラジルにとって、今後は辛い時代となることがほぼ確定していると見ていいだろう。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NCIERG6S972Q01.html
グロース氏がPIMCOで運用する主力ファンドのPIMCOトータル・リターン・ファンド(運用資産2220億ドル=約24兆2500億円)からは記録的な規模の解約が出ている。PIMCOはCEOだったモハメド・エラリアン氏の突然の退社をめぐる負の報道にも悩まされていた。

http://jp.ibtimes.com/articles/61614/20140927/1411772898.htm
2014年9月27日 08時08分 更新
「債券王」グロス氏、PIMCO退職 同業ジャナスに移籍へ

 「債券王」の異名をとる米債券運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のビル・グロス最高投資責任者(CIO、70)が26日、創業者の一人として40年以上勤めた同社を退職した。
グロス氏は1971年にピムコを共同設立し、過去40年余りで2兆ドル近い資産を運用する巨大ファンド会社に育て上げた。同氏は旗艦ファンドで世界最大の債券ファンドでもある「トータル・リターン・ファンド」PTTRX.Oの運用を担当、運用額は2200億ドルを超えるが、過去約1年半で700億ドル相当の資金流出に見舞われている。

“株高・債券安”、“先進国への資金還流”、“資源安”というトリプル・パンチはブラジル経済を破壊するのに十分である。

今回のブラジル大統領選にみられるような、選択肢なきブラジル国民の不幸。これも新興国経済(特にBRICSという枠組み)の終焉の始まりを示す氷山の一角に過ぎない。

アカい経済(中韓露)の凋落は、それらの友好国を尽く巻き込んで逝くだろう。

関連:
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2014年5月18日日曜日
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