G20声明:デフォルト懸念払拭に向け米国は「早急に行動を」 - Bloomberg 2013/10/12 05:16 JST
G20は声明で「米国は短期的な財政の不透明感の払拭(ふっしょく)に向け早急に行動する必要がある」と強調した。
景気刺激策が解除されると苦境に立たされるとの新興市場の不満に配慮し、G20は1国の行動が他国に害を及ぼす「波及効果」を監視していく方針を表明した。
ロシアのシルアノフ財務相は10日のG20夕食会後、記者団に対し、債務上限をめぐる対立が恐らく17日までに解消されると、米財務省と連邦準備制度理事会(FRB)の当局者が発言したことを明らかにした。
新興諸国は、米国債務上限問題やFRB量的緩和縮小が自国経済に齎す悪影響を極端に恐れている。(米国債務上限問題:グローバリスト達の焦り。2013年10月10日木曜日)
新興国側の一角であるロシアも、「債務上限問題は17日までに解消されると米財務相やFRBの当局者から聞いた」と“希望的観測”を飛ばして新興国市場の動揺を落ち着かせようと必死である。
だが、米英勢力がまだまだ“やる気”であることは下の引用からも伺える。
発展途上国24カ国で構成するG24は10日の会議後、「非伝統的な政策の解消を示唆したことに伴う金融市場の世界的な混乱を懸念している」と表明、先進国に対してマイナスの副作用に配慮するよう求めた。
オズボーン英財務相はその必要性を認めながらも、新興諸国に対して、「自らの経済の改善に向けて必要な多くのことを実行しない口実として、波及効果を持ち出すべきではない」とけん制した。
FRBの打ち出の小槌に胡座をかいて経済改善を怠ってきた新興国は、これからその代償を支払うべきだ、と米英勢力は考えているのだろう。
まぁ、米英勢力は、今の“先進国への資金還流”というチャンスを見す見す逃すのほど愚かではあるまい。
“新興国への資金流出”というこれまでの世界的な流れは、同盟諸国の金融緩和の効果を妨げてきた大きな原因の一つと考えられるわけだが、この流れを断ち切るためには普通のやり方では効果は望めないだろう。やはり俺の見立て通り、今の米議会の債務上限問題プロレスの目的は、「肉を切らせて(新興国の社会主義的経済政策の)骨を断つ」ことにあると見て間違いなさそうである。
今回の米国の“焦らし作戦”では、中国経済の“不安定な積み木”が何処まで持ち堪えるかに注目が集まる。さっさと米国の債務上限を上げてもらえないことには、人民元を擦り散らかして米国債を買うという、お得意の“為替操作”による自転車操業が中断してしまうわけだからね。
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