米議会ではオバマ政権の財政政策を巡り民主党と共和党が対立を深めているわけだが、野党・共和党側が債務上限の引き上げに応じないことで、巷ではまたしても米国債務不履行(デフォルト)危機が騒がれている。
だが、これは以前から予想されていたイベントであり、今更驚くほどのことでもあるまい。
量的緩和縮小を予定していたFRBが、今月行われたFOMCでそれを先送りにしたことは、今回のデフォルト危機を見越してのものである。ハト派のバーナンキFRB議長も議会に対し、さっさと債務上限を上げるよう求めている。(米FRBの緩和縮小見送り、緊縮財政や政治の機能不全も要因 - ロイター 2013年 09月 19日 12:40 JST)
野党・共和党の狙いは、オバマ政権に揺さぶりを掛けること(特に“オバマケア”を潰すこと)と、FRBやオバマ政権に反して“強いドル”政策を強行することにあるのだろうが、後者については、世界中で必要以上に米国のデフォルト危機が騒がれているためか、完全に逆効果になっている。ちなみに現在ドル円は円高が進み、1ドル97円台前半で推移している。
両党が何処で妥協点を見出すか不明だが、ギリギリまで引っ張った後に最終的にはオバマ民主党側が妥協するのではないかと見ている。「これ以上の議会の停滞は国民のためにならない」とか何とか、理由は幾らでも後付できるだろう。
恐らくそこからはドルが強烈に反発するのではないかな。それと同時に新興国からの資金流出(先進国への資金還流)が再び勢い付くだろう。
そうなると、新興国の中でも特に官僚主義・社会主義的な経済政策を相変わらず引き摺っている国から先に逝くことになるだろうな。
まぁ、今の日本経済も他人事ではないくらいに官僚主導の奇妙なルールに雁字搦めで、国益を損ね続けているわけだがね。
TPPで日本が市場を開放すれば(というか、官僚主導の排他的で非合理的な規制を撤廃すれば)、米国経済がちょっと風邪を引いたぐらいで日本経済が肺炎になるようなこともあるまい。
日本経済を蝕む円高を止める一番の方法は、日本がドルを使うこと。つまり、日本国民がより多くの安価な海外輸入製品を消費することである。
日本では官僚達の作った変な規制が多すぎて、国民の手に入る海外製品が余りにも少ない。日本の非合理的な官僚ルールに辟易している海外事業者の多くが、日本だけをスルーして商売しているのが現状である。これは、日本国民が官僚に損をさせられていると言えるし、日本の“負のガラパゴス化”が進む原因の一つでもある。
他の同盟国で売られている製品と日本国内の製品価格に殆ど差が無くなったその時、日本経済は真に開かれた経済だと世界に向けて発信しても決して恥をかくことはないだろう。
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