雇用規制緩和特区、断念へ…厚労省の反発に配慮 - 読売新聞 10月17日(木)3時22分配信
政府は16日、成長戦略の柱に位置づける「国家戦略特区」で導入する規制緩和について、焦点となっていた「解雇ルール」など、検討してきた雇用に関する全3項目を見送る方針を固めた。
いずれも労働者の権利保護を掲げた労働契約法などを根本から覆す内容で、厚生労働省は「労働規制は全国一律でなければ企業競争に不公平が生じる」などと反発してきた。野党からも「解雇特区」などとして、臨時国会で政府に対する攻撃材料にしようとする動きが強まっていた。
今まで散々ブラック企業を放置してきた厚生労働省が何を今更という思いで一杯である。
まぁ厚労省が守りたいのは、国民の労働なんかではなくて、所詮は、雇用保険や社会保険、そして厚生年金などと言った事実上の“税金”の方であろう。何故なら、もし解雇規制を緩和すれば、厚労省の利権となっている前述の保険・年金の徴税額が減ることが予想されるからである。
これまで政府が雇用を守る積りになってやってきた結果が、今の惨憺たる日本の雇用環境である。今の若者の仕事らしい仕事といえば、地方自治体や国からの補助金で運営されている、余りにも非合理的で“刺し身たんぽぽ”な仕事ばかりである。それらの仕事の多くは、社会の需要に応えるためなどではなく、税金を使うこと自体が目的になってしまっている。そして、そんなスキルアップとは程遠い仕事と安い賃金のために、労働者達は貴重な時間を延々と浪費し続けている、、、こんなことで若者の生活が豊かになるわけがあるまい。それ以外の仕事と言えば、「除染」と「介護」と「パチンコ」か。而(しか)もこれらの仕事でさえも、定年退職した団塊世代と若者達が仕事を奪い合っているという現状。終わってるだろう、どう考えても。
今やこの風潮は都市部の大企業にも蔓延っている。家族との時間を捨ててまで会社の仕事を優先するというのも結構だが、無駄に残業して頑張って働いた気になっている輩がどこの会社にも多過ぎる。これでは本人や家族のためだけでなく、会社のためにすらなっていない。会社(株主または納税者)に損害を与えているに等しい。こんな“一家の大黒柱”の背中を見て育った子供たちは、また彼等と同じ、“社畜の道”を歩むのだろうか。よく「貧困の連鎖」などと云われるが、問題なのは金銭的な貧困などではなく、親の生活の質の低さにこそある、と俺は思う。
厚労省は、「待機児童を失くす」とか喚く前に、まずは一家の大黒柱が子育てに参加できるよう、雇用・労働環境を改善させるべきだと思う。まぁ、厚労省の美味しい“雇用利権”が減ってしまうようなことは絶対にやらないだろうけどな。
誰も得しない今の雇用制度はさっさと規制緩和した方が国民のためになると思っていたのだが、残念ながら、またしてもお役人共に潰されてしまったようである。まぁ、大多数の国民がそれを望んでいるのであれば仕方もない。
ただ、こういう歪んだ社会構造を維持するために更なる増税(消費税増税)を強いられている、ということを国民は決して忘れてはならない。
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