2013年12月5日木曜日

MDシステム:イラン核問題の解決がEUを追い込む。

https://surouninja.blogspot.com/2013/12/the-resolution-of-the-iran-nuclear-issue-to-disadvantage-the-eu.html?m=0
ロシアラブロフ外相が4日(2013年12月4日)、NATOとの会合で、イランの核開発問題が解決されれば、「NATOは欧州ミサイル防衛システム(MDシステム)を作る理由が無くなる」と指摘したとのことである。


欧州ミサイル防衛は不要=イラン核解決なら―ロシア
時事通信社 2013年12月5日(木)6時55分配信
http://news.nicovideo.jp/watch/nw866646

 【ブリュッセル時事】ロシアのラブロフ外相は4日、ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)との会合で、イランの核開発問題が解決されれば、「NATOは欧州にミサイル防衛(MD)システムをつくる理由がなくなる」と述べた。外相が記者会見で明らかにした。 

ラスムセン事務総長:MDに関するロシアとの協力提案 未だ有効
ロシアの声 22.10.2013, 16:09
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_22/123238612/

NATO(北大西洋条約機構)のアンデルス・ラスムセン事務総長は、対ミサイル防衛分野においてロシアと協力する提案が未だに有効であることを確認した。NATO加盟国の防衛担当相らが2日間にわたって会合を行うに先立ち、ラスムセン事務総長は、NATOとロシアの協力はいまだかつてないほど大きいと指摘している。

NATOは此処のところ、米国との関係よりもロシアとのそれを重視しているように見受けられる。その典型的な事例としては、シリア問題で軍事介入に消極的な姿勢を見せたことなどが挙げられる。(参考:シリア軍事介入に関して完全に孤立してしまった米国はG20でコンセンサスを得られるか。 2013年9月2日月曜日)

アジア太平洋地域へのシフトのために中東地域からのフェードアウトを画策していると思しき米国としても、NATOの姿勢の変化は渡りに舟であろう。(参考:中東地域をロシアに委譲する米国。2013年11月7日木曜日)

ロシア外務次官、米MDの日本配備で説明求める
日経新聞 2013/10/31 0:59
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM30048_Q3A031C1FF2000/

 【モスクワ=石川陽平】ロシアのモルグロフ外務次官(アジア担当)は30日、11月2日に初めて開く日ロ外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)で、米国がアジア太平洋地域で構築するミサイル防衛(MD)網の一部を日本に配備する計画について詳細な説明を受ける意向を示した。日米同盟の強化に動く安倍政権をけん制する狙いとみられる。ロシア通信に語った。

今後は、NATOのMDシステム計画が中断され、米国の余剰リソースは日本のMDシステム強化へと回されるかも知れない。

北大西洋条約機構 - Wikipedia

新冷戦

2000年代後半に入り、アメリカが推進する東欧ミサイル防衛問題や、ロシアの隣国であるグルジア、ウクライナがNATO加盟を目指していることに対し、経済が復興してプーチン政権下で大国の復権を謳っていたロシアは強い反発を示すようになった。2008年8月にはグルジア紛争が勃発、NATO諸国とロシアの関係は険悪化し、「新冷戦」と呼ばれるようになった。ロシアは2002年に設置されたNATOロシア理事会により準加盟国的存在であったが、2008年8月の時点ではNATOとの関係断絶も示唆していた。だが、2009年3月には関係を修復した。

しかし、ロシアはウクライナ、グルジアのNATO加盟は断固阻止する構えを見せており、ロシアのウラジーミル・プーチン首相は、もし2008年のNATO-ロシアサミットでウクライナがNATOに加盟する場合、ロシアはウクライナ東部(ロシア人住民が多い)とクリミア半島を併合するためにウクライナと戦争をする用意があると公然と述べた[1]。また、軍事アナリストのパーウェル・フェルゲンハウアーは、2009年2月に、ロシアが事実上併合した南オセチアに造られる(もしくは造られた)基地から近い将来サアカシュヴィリ政権を倒すためにグルジアに侵攻する予定であると述べた[2]。

このようなことから、NATOとロシアは未だ緊張関係にあると言える。

ウクライナ NATO声明をロシア批判
NHK 12月5日 4時55分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131205/k10013588381000.html

ロシアと国境を接するウクライナで、ヨーロッパへの接近を支持する市民のデモ隊が強制排除され、これにNATO=北大西洋条約機構が非難声明を出したことについて、ロシアのラブロフ外相は4日、「内政干渉すべきでない」と批判し、ウクライナを巡ってロシアとヨーロッパの間で非難の応酬が激しさを増しています。

ウクライナではヤヌコビッチ政権が露骨な親露政策を採っており、ウクライナ国内だけでなくEUにおいても懸念が高まっているようだが、シリア問題などでの多くのNATO加盟国の煮え切らない姿勢に懲りた米国は、今後のEU-ロシア間の対立には積極的な介入を行わないのではないかと見ている。まぁ、米軍の関与しないNATOの存在意義など無いに等しいわけだが。

ケリー米国務長官はウクライナ政府に対し、国民の声に耳を傾けるよう要請してはいるが、それも口先だけで終わる可能性も高そうである。

NATOはこれまでの存在意義を見直し、ロシアとの協調路線を更に強化する他に無いだろうが、そうなればEUはロシアの影響力に支配されることを甘受せねばなるまい。EUは今後、中国やロシアの草刈り場になりそうな気配である。(参考:ファーウェイ:EUに触手を伸ばす中共フロント企業。2013年9月24日火曜日)

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