2014年4月8日火曜日

日豪EPA:新たな日豪関係の始まり。

https://surouninja.blogspot.com/2014/04/australia-and-japan-to-start-new-positive-relationship.html?m=0
日豪EPAが大筋合意に至ったようである。その内容はまさに、日本とオーストラリアがWin-Winの関係となる理想的なものとなっている。

<日豪EPA>日本車メーカー歓迎「韓国と対等競争に」

毎日新聞 4月8日(火)1時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140408-00000002-mai-bus_all

 7日大筋合意した日豪経済連携協定(EPA)は、農業分野の関税引き下げだけでなく、自動車関税の撤廃や、エネルギー・鉱物資源の安定供給の強化、投資ルールの整備など10項目以上の経済協力強化策が盛り込まれた。豪州は日本にとって輸出では10番目(1.7兆円)、輸入では3番目(5.0兆円)の貿易相手だ。協定が正式に発効すれば、経済関係の強化がより進みそうだ。
◇日豪EPAの主な合意事項

<農業分野>

◆日本

・冷凍牛肉は協定発効後18年目で19.5%、冷蔵牛肉は15年目で23.5%に関税を削減。輸入が一定量を超えた場合は税率を38.5%に戻すセーフガード(緊急輸入制限)を発動

・豪州産チーズの輸入枠を最大20年間で2万6100トンに拡大

・飼料用小麦は関税を即時撤廃

・ワインは発効後7年目で関税撤廃

・バター、脱脂粉乳、砂糖、食糧用小麦の輸入は将来見直し

◆豪州

・すべての品目で関税を即時撤廃

<非農業分野>

◆日本

・鉱工業品の関税を最長10年間で撤廃

◆豪州

・中小型車(排気量1500~3000CC)の関税を即時撤廃

・大型車(3000CC超)は協定発効後3年目で関税撤廃

◆日豪両国

・エネルギー・鉱物資源の安定供給強化

・公共事業など政府調達市場への参加促進

この合意の最大の狙いは、前ギラード政権で対中国依存が高まり過ぎて危機的状態に在る、オーストラリア経済の立て直しにあることは言うまでもない。中国経済は目下収縮し始めており、このまま対中国依存度を維持し続ければオーストラリア経済も無傷ではいられまい。

参考:
2014年3月22日土曜日
中国経済の凋落で動揺する台湾。

現在オーストラリア経済は、中国の爆食経済(石炭や鉄鉱石などの対中輸出)に支えられているわけだが、今後はそれらの品目の輸出先を中国から日本に切り替えることで、今後の中国経済の急縮によるダメージを回避したいというのが本音であろう。今回のEPA合意が日本(の農業)側にとってかなり甘い合意内容となっている理由も、オーストラリアがそちら(石炭・鉄鉱石の輸出)を最優先したからだと思われる。

今回のEPAは、日本にとっても円高リスクを自然な形(自由貿易)で防止することに繋がり、日本の健全な経済成長にも良い影響を与えるだろう。

オーストラリアは比較的良いタイミングで親中政権を引きずり下ろすことができたようである。同国民も今頃安堵していることだろう。

参考:
2013年12月11日水曜日
オーストラリア:人件費高騰で自動車産業が崩壊。
2013年9月8日日曜日
オーストラリアで6年ぶりの政権交代。与党・労働党が敗北し、野党・保守連合が政権奪還したわけだが。


日豪首相がEPA大筋合意、安保関係も強化

2014年 04月 7日 20:44 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA3602Z20140407

[東京 7日 ロイター] -安倍晋三首相と来日中のアボット豪首相は7日夕に会談し、交渉を進めていた日豪経済連携協定(EPA)に大筋合意するとともに、安全保障分野の関係を一段と強化することを決めた。アジア太平洋地域で中国の存在感が増す中、日本は米国以外の友好国とも協力を深める。
<「トニー」「晋三」の仲をアピール>

会談に先立ち、アボット首相はこの日開かれた国家安全保障会議(NSC)にも外国の首脳として初めて出席した。会合で両首相は互いを「トニー」、「晋三」と名前で呼び合い、親密さをアピールした。 中国との関係を重視していたギラード前首相に比べ、昨年9月に就任したアボット首相は親日とされている。アジア太平洋地域で中国の存在感が高まり、相対的に米国の力が低下する中、日本はオーストラリアや東南アジア諸国、インドなどとの経済・安保関係の強化に動いている。

トニー・アボット - Wikipedia

2013年9月の総選挙では、与党労働党を大差で下し、政権交代を実現した。同月18日、就任宣誓式を行い第28代オーストラリア連邦首相に就任。

政策

保守的なカトリック教徒としても知られ、胚性幹細胞の研究や人工妊娠中絶に反対し、君主制存続を主張している。外交政策ではラッド政権下において捕鯨問題などでぎくしゃくしがちだった日本との関係強化を打ち出している。日本との関係を「アジアにおける最良の友」「世界史の中で最もお互いに恩恵を受けてきた二国間関係の1つ」と評価している。

新しい日豪関係がいよいよ形になってきたようである。アボット政権は間違いなく日豪両国の国益に適うだろう。

シーシェパードなどの反日勢力の駒も、今後はオーストラリアでの活動がやりにくくなることが期待できる。

参考:
2014年4月1日火曜日
シーシェパード:反日のための捕鯨反対。

今回のEPA合意は、TPP合意を妨害するオバマ米民主党政権にも強烈なプレッシャーにもなりそうな予感である。

参考:
2014年2月24日月曜日
米民主党:TPP交渉における最大の障害。

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