2013年9月11日水曜日

米露妥協点としての「シリア分割」を描くキッシンジャー。

https://surouninja.blogspot.com/2013/09/kissinger-envisions-divided-syria.html?m=0
ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が9日(2013年9月9日)、CNNのインタビューに応え、シリアへの限定的な軍事介入を支持すると述べた様である。

インタビューの中でキッシンジャー氏は、此れまで米国の軍事介入には反対の立場だったと前置きした上で、大量破壊兵器の使用を罰するという限られた目的のためには今回の軍事介入は支持する意向を示したとのことである。

また同氏は、シリア問題では米露が共通の目標を確立出来るとも述べた様である。


キッシンジャー元米国務長官、シリア軍事介入を支持 - CNN 2013.09.11 Wed posted at 12:39 JST
(CNN) ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は9日、ニューヨークでCNNのクリスティアン・アマンプールのインタビューに応じ、オバマ大統領が準備を進めるシリアへの限定的な軍事介入を支持すると表明した。
キッシンジャー氏はインタビューの中で、「私は米国の軍事介入にはずっと反対の立場であり、公の場でもそう公言してきた」「しかし今回使われたのは大量破壊兵器であり、影響はシリアにとどまらない。その理由から、そして大量破壊兵器使用を罰するという限られた目的のため、私はオバマ大統領の要請を支持する」と述べた。
シリアの友好国ロシアとの関係については、冷戦時代に国務長官を務めた経験から、「最終的に、我々とロシアは共通の目標を確立できる。我々が対立しているシリアなどの問題では、双方が同じ目標を持つべきだと信じる」と述べ、「急進的なアラブ世界は我が国に到達する前に、ロシアに広がっていく」と分析した。

大物フィクサーの登場でシリア情勢も愈々佳境を迎えそうな予感である。

キッシンジャー元米国務長官「シリアは分割されるべきだ」~ヴォイス・オブ・ロシアより~ - 日刊ベリタ 2013年06月29日21時33分

上のリンク先でも述べられている通り、現在のシリア情勢は、民主化運動の激化というよりも、異民族間・宗派間の戦いに過ぎないわけある。

となると矢張り、「シリア分割」という着地点が最も現実的な所なのかも知れない。

此れならば、アサド大統領の影響力を残したいロシアとアサド大統領の影響力を排除したい米国の思惑が互いに合致するだろう。そしてガスパイプラインの利権についても、米英が関与するアラブ側パイプラインとロシアが関与するイラン側パイプラインを共存させるというのは妥協点としては妥当だろうな。

恐らく、此処ら辺の詳細は、明日12日(2013年9月12日)ジュネーブで行われる米露外相会談で詰められるだろう。

シリアが化学兵器の国際管理案受け入れへ、安保理決議の行方不透明 - ロイター 2013年 09月 11日 08:33 JST
シリアは10日、ロシアが前日提案していた化学兵器の国際管理を受け入れる意向を示した。

Sumire Hashimoto @Sumirehashimoto

ギリギリの攻防。シリアがロシアの提案を受け入れたがフランスが制裁=軍事介入の一筆を含んだ草案を国連安保理に出した→ロシアと中国反対で欠席。→ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相は12日にジュネーブで会談を予定。草案と提案が主要議題http://t.co/CNmh9mcLH4

Wed Sep 11 04:38:18 +0000 2013



【関連リンク】

シリア化学兵器の国際管理についてロシアが国連安保理の緊急非公開会議を中止して米露二国間の外相会談に持ち込んだ様だが。(2013年9月11日水曜日)

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