2014年3月29日土曜日

高速増殖炉:「もんじゅ」計画白紙を一転、存続へ。

https://surouninja.blogspot.com/2014/03/japan-has-decided-to-continue-the-plan-of-fast-breeder-reactor-monju.html?m=0
自民・公明両党が24日(2014年3月24日)、「エネルギー基本計画」に関する会合の中で、高速増殖炉もんじゅ」を当面存続させることで合意したとのことである。

原発は低炭素、基本計画に追加=もんじゅ、当面存続—自公合意

2014年 3月 24日 22:25 JST 更新
http://jp.wsj.com/article/JJ10642736596387584312920439286983611634839.html

 自民、公明両党は24日、国会内で新たなエネルギー基本計画に関する会合を開き、政府案で「重要なベースロード電源」などと表現した原発について、文言を一部修正することで一致した。運転時に温室効果ガスを排出しない原発の性質を強調するため、「低炭素」といった文言を追加する方向だ。

 自公両党は、高速増殖炉「もんじゅ」を、放射性廃棄物の量を減らす研究などに使うことを念頭に当面存続させることでも大筋合意した。 

これまで政府は「もんじゅ」の実用化への目標を白紙に戻し、エネルギー基本計画にも入れない方針であったが、今回の合意はそれを一転させたことになる。

参考:
2014年2月7日金曜日
高速増殖炉断念はプルサーマル推進の狼煙。

この背景には、おそらく、今週ハーグで行われた核セキュリティ・サミットにおいて、日米間で何らかの合意があったからではないかとタイミング的に推測される。同サミットで安倍首相は、過去に米国から供与された兵器級プルトニウムを返還することで合意したわけだが、その見返りとして日本は“もんじゅ稼働”の合意を取り付けることができた、ということではないだろうか。

参考:
2014年3月24日月曜日
核セキュリティ・サミット:プーチン大統領の欠席表明。
2014年1月27日月曜日
オバマ政権:日本に兵器級プルトニウム返還を要求。

まぁ、いずれにしても安倍政権は、非常に上手く(現実路線で)この問題をハンドリングしているように思える。日本の無秩序な核武装を放棄することをアピールし、同盟国に安心感を与えつつ、一方で軍事・経済両面の安定の要となる原子力技術の発展の可能性は残したわけである。

もんじゅの敷地内断層「活動性なし」 原子力機構が最終報告

産経新聞 3月28日(金)18時34分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140328-00000566-san-soci

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)は28日、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)の敷地内破砕帯(断層)について「活動性はない」と結論付ける最終報告をまとめ、原子力規制委員会へ提出した。
 原子力機構は昨年4月、「活動性はない」とする調査報告を規制委へ提出。現地調査を行った規制委から「データが不十分」などの理由から、追加調査を指示されていた。

このまま原子力規制委員会の超法規的な“妨害”がなければ、もんじゅの稼働はこれで決定であろう。これに連動して、日本の原発も再稼働ラッシュを迎えると見ている。それは国民生活にとっての朗報と謂えよう。

参考:
2014年1月14日火曜日
燃料費増大による悪性の貿易赤字。

そういえば、日本は原発停止を埋め合わせるために石炭火力を大幅に増やそうとしているようだが、現実的に見れば、石炭を燃やして大気中に有害な水銀を大量放出するぐらいなら、原発を稼働させる方がよほどクリーンで人体へ悪影響を与える可能性も極めて低い。

参考:
日本、石炭火力に賭ける―続々と発電所建設計画

2014年 3月 28日 08:40 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304233804579466003085973492.html

【東京】日本は国際石炭市場で数少ない明るい材料になりつつある。2011年の福島第1原発事故を受けて稼働をすべて停止した原発に代わって、石炭火力発電を拡充しているからだ。

 日本の電力会社は新規石炭火力発電所の建設に何十億ドルものカネを投入する計画で、米国とは対照的だ。米国では地球温暖化への懸念で、既存技術を使った新規石炭火力発電所の建設が実質的に阻止されている。

微量な放射能でも大気中に放出されることを許さない“反原発カルト”な人々が、何故か石炭火力で水銀が常時放出されていることには無関心なのは、非常に残念なことである。

関連:
2013年11月27日水曜日
再処理工場と高速増殖炉は近い将来稼働するだろう。

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