2014年3月19日水曜日

ウクライナ情勢:中露とG7の対立へシフト。

https://surouninja.blogspot.com/2014/03/ukraine-situation-is-shifted-to-union-of-russia-and-china-vs-g7.html?m=0
ウクライナ情勢で欧州がロシア天然ガスのオルタナティブを模索しはじめたことをうけて、ロシアは欧州市場に代えて中国へのガス供給拡大を加速させようとしているようである。

ロシア、欧州市場に代えて中国へのガス供給拡大を計画
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_19/269819545/

ロシアは欧州市場に代えて中国へのガス供給の拡大を加速する計画を準備している。

 エネルギー省のアレクサンドル・ノワク大臣が記者らに述べた。

 ノワク大臣は次のように述べた。
 「これは非常に興味ぶかい、相互利益的なプロジェクトだ。『ガスプロム』とCNPCは近日、価格について合意を達成する。プロジェクトはもう実現し始めている」

 イタル・タス

こうなると、ウクライナ情勢は、ロシアと欧米との対立という構図から、先進7カ国(G7)と中露の対立という、国連内部での対立と同等のものになりそうな気配である。

ロシアによるクリミアの併合を認めてしまえば、ロシア人が実効支配している日本の北方領土もロシアの領土と認めることに繋がりかねないし、横浜の中華街が中国の領土だと認めるようなことにさえ繋がりかねない。今の中共政権ならそのような妄言を喚き始めたとしても全く不思議ではない。

目下ロシアとの関係を深めようとしている日本だが、中国に再び接近し始めたロシアには十分に警戒が必要である。

日本としては、ロシアとの関係改善よりも、ここはG7の一員として欧米諸国と歩調を合わせていくべきであろう。経済面ではともかく、政治面ではG7の枠組みで動くことが日本の国益に資すると思われる。そういう意味では、日本が欧米の対ロシア経済制裁に合わせて追随したことは非常に賢明な選択であったと思われる。

ロシアを全面的に信頼できるようになるまでには、どうやら未だまだ時間がかかりそうである。少なくともロシア国内の派閥争いが鎮静化してから、ということになるだろう。プーチン政権は、まずは外の敵よりも内なる敵との戦いに勝利する必要があろう。

参考:
2014年3月4日火曜日
ウクライナ:オバマの対露制裁とサハリンの天然ガス。

それまでは日本としても北方領土問題の解決を期待すべきではあるまい。むしろ北方領土問題こそが対ロシア外交で使える貴重なカードと見るべきだろう。

参考:
2014年3月1日土曜日
北方領土:二島返還論は「引き分け」では無い。
2014年2月19日水曜日
北方領土:ロシアからのインセンティブが問題解決の鍵。

原発停止でエネルギーに飢える日本がお目当てとしているロシア産天然ガスは、この様子だと当分それらを入手できない可能性も高そうだが、それは米国産シェールガスの輸出開始で補うことはできると予想される。

参考:
2014年3月9日日曜日
ウクライナ情勢と米国シェールガス輸出解禁の動き。

とはいえ、ロシアと米国のいずれの国からガスの輸入契約をするにしても、原発再稼働なしに有利なガス交渉ができるわけがないことだけは言うまでもない。米国のシェールガスが安いのは、現状は米国内だけで流通しているからであって、輸出が始まれば相場は間違いなく上昇するだろう。下手をすれば、米国産シェールガスは、日本の貿易赤字解消に殆ど寄与しない虞(おそれ)もある。

これらを踏まえて、新潟県の泉田知事と原子力規制委員会にはそろそろ無責任なパフォーマンスを止めにしていただきたいものである。

参考:
2014年3月17日月曜日
石川県知事選:原子力規制委員会に対する民意の現れ。
2014年1月18日土曜日
新潟:中共に手招きする泉田知事。

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