アサド政権が化学兵器使用=外務省幹部認める - 時事通信 9月7日(土)1時23分配信
【サンクトペテルブルク時事】外務省幹部は6日、シリアのアサド政権が同国内で化学兵器を使用したことを、日本政府として認定したと明らかにした。日米など11カ国がアサド政権に対し「強力な国際的対応」を求める共同声明を発表したことを受けた発言。
米国を中心に多くの同盟諸国がシリアへの軍事介入に賛同の意を表明する中、遂に日本もアサド批判の正式表明に踏み切ったわけである。
TPPで同盟国同士の経済の国境が取り除かれんとする中で、安全保障の分野でも同盟国同士の連帯感が必要となる。経済連携は安全保障あってのものなのだから。現実的に見れば当然日本も此の輪の中に入らざるを得ず、今回の外務省の正式発表も既定路線である。
冷酷かも知れないが、日本の国益を考えるなら、仮令(たとえ)化学兵器使用がアサド政権によるものでは無かったとしても、日本政府はアサド政権(若しくは其の他の非同盟国)に対する何かしらの制裁に賛同する他無かっただろう。新興国(主に非同盟諸国)から先進国(主に同盟国)への“資金の還流”を促すためには、何らかの象徴的なトリガー・イベントが必要だからである。今回其のトリガーとして採用されたのが、“アサド政権の崩壊”だったのだろう。
安倍政権は今年10月中旬頃と予定されている秋の臨時国会で集団的自衛権の「行使容認」の表明を検討しているわけだが(集団的自衛権:「行使容認」臨時国会で表明検討 - 毎日新聞 013年07月30日)、財政面で他国からの軍事支援を必要としている米国は、日本の臨時国会で集団的自衛権の行使容認が表明されるまでは、シリアへの本格介入を控えるかも知れない。
シリアでの不安定な状況を長引かせれば長引かせるほど、エネルギー価格の上昇により米露両国の国際石油資本は潤う可能性が高いわけだしな。
【関連リンク】
国連安保理決議のみならず、米議会の採決すら無視してシリアへの軍事介入を示唆する米軍。 2013年9月6日金曜日
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