2013年9月13日金曜日

シリア情勢についての米露外相会談の交渉カードにSCOを動かすロシア。

https://surouninja.blogspot.com/2013/09/sco-pressures-to-us-about-syria-talks-in-geneva.html
スイスのジュネーブでシリア情勢についての米露外相会談が行われている中、上海協力機構(SCO)の首脳会議が開催され、米国によるシリアへの軍事介入に反対する立場を確認する様である。

此のSCO首脳会談には、ロシアや中国、イラン等が参加している様である。


米ロ外相会談は冒頭から溝、米長官「シリア攻撃排除せず」 - ロイター 2013年 09月 13日 06:25 JST
[ジュネーブ 12日 ロイター] - スイスのジュネーブで12日、シリアの化学兵器の国際管理を協議する米ロ外相会談が2日間の日程で始まった。だが外交努力が実を結ばなかった場合、武力行使が必要になる可能性があると主張するケリー米国務長官に対し、軍事攻撃の可能性を排除したいラブロフ露外相の間で、冒頭から立場の違いが浮き彫りとなった。

中ロなど軍事行動反対を協議 - NHK 9月13日 6時38分
ロシアと中国、それに中央アジアの国々で作る、上海協力機構の首脳会議が13日、中央アジアのキルギスで開かれ、アメリカによるシリアへの軍事行動に改めて反対する立場を確認する見通しです。

中東に米軍を派遣してシリアに睨みを効かせている米国に対抗して、SCOも今後は何らかの軍事的アクションを起こす心算なのかも知れない。

イラン大統領 査察受ける用意 - NHK 9月13日 5時59分
イランのロウハニ大統領は就任後初めて、中国の習近平国家主席と会談し、核開発は平和利用の目的だと理解を求める一方で「国際社会の懸念を払拭(ふっしょく)するため、IAEAの査察を受け入れる用意がある」と述べ、説明責任を果たすと強調しました。
先月就任したロウハニ大統領は、13日、中央アジアのキルギスで開かれる上海協力機構の首脳会議にオブザーバーとして参加し、この機会に、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席とも首脳会談を行います。
ロウハニ大統領は、出発に先立ち12日、テヘランの空港で記者団に対し「国際社会での重要課題についてイランの立場を、説明するつもりだ」と述べ、イランの核開発に一定の理解を示し経済的な結びつきも強いロシアや中国との関係強化を目指すと共に、同盟関係にあるシリアのアサド政権に対する軍事作戦に反対する立場で連携したい考えです。
上海協力機構の首脳会議のあとには、ロウハニ大統領は、ニューヨークで開かれる国連総会にも出席して演説をする予定で、国交を断絶し今も激しく対立するアメリカを舞台に、どのような外交を展開して国際社会にメッセージを発するのか注目されます。

国連、シリアから化学兵器禁止条約の加盟文書を受理 - ロイター 2013年 09月 13日 04:58 JST
[国連 12日 ロイター] - 国連のハク報道官は12日、国連がシリアから化学兵器禁止条約(CWC)の加盟に関する文書を受け取ったことを明らかにした。

化学兵器使用の問題でアサド政権が「シロ」となった場合に、米国は必ず次のターゲットを探すだろう。核問題についてのイランの譲歩の狙いは恐らく、シリア問題で米国が振り上げた拳が降り掛かかって来るのを避けることにあると思われる。シリアの化学兵器と同様、イランの核も国際管理下に置くことで、米国が口出しし難くなることを狙ったのだろうね。

ただイランの新大統領のロハニ氏は米英寄りと云われているわけで、同大統領が米英のスパイとして内部からSCO潰しに加担する可能性もゼロではあるまい。

まぁ米露としては、中東不安定化でエネルギー価格が高騰してさえくれれば、「NATO vs SCO」や「米英 vs 国連」などといった対立軸などぶっちゃけどうでもいいことなのかも知れないがね。

取り敢えず、本日の「ジュネーブ2」の行方には要注目である。


【関連リンク】

米露妥協点としての「シリア分割」を描くキッシンジャー。(2013年9月11日水曜日)

シリア化学兵器の国際管理についてロシアが国連安保理の緊急非公開会議を中止して米露二国間の外相会談に持ち込んだ様だが。(2013年9月11日水曜日)

エジプトやトルコの不安定化でNY原油先物が1年2ヶ月ぶりの103ドル台。原油・ガス価格連動型経済のロシアには朗報となるか。(2013年7月7日日曜日)


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