ベネズエラで反戦デモが継続 - イランラジオ 2013/09/08(日曜) 22:49
べネズエラの国民が、再度、シリアに対し起こりうるアメリカの攻撃に反対するデモを行いました。
IRIBによりますと、7日土曜、ベネズエラの首都カラカスで行われたこのデモへの参加者は、シリアに対して予想されるアメリカの軍事攻撃を非難し、平和や自由を求める世界の人々に対し、シリア国民を支持するよう求めました。
シリアは産油国でありながらも自前のディーゼル油精製施設が不足しており、年間消費量の半分以上を輸入に頼っているわけだが、其の主な輸入元が「ベネズエラ」である。
ベネズエラがシリアにディーゼル油輸出、戦車に利用の可能性も - ロイター 2012年 02月 17日 10:17 JST
[カラカス/ジュネーブ 16日 ロイター] 反体制デモへの弾圧を続けるシリア政府に対し、ベネズエラがディーゼル油を輸出している。複数のトレーダーの証言と海上輸送データで明らかになった。欧米諸国による対シリア制裁の効果を弱めたり、シリア軍が弾圧に使用する戦車などに利用される可能性もある。
シリアは原油輸出国である一方、ディーゼル油は精製施設が不足していることなどから、年間消費量の半分以上を輸入に依存。欧州連合(EU)は人道的な理由からシリアへの輸出禁止は決定していないが、トレーダーらによると、輸出企業の多くはシリアとの貿易活動に消極的になりつつあるという。同国産原油の輸出は、国際社会による制裁を受けて昨年9月から停止している。
詰まり、シリアはベネズエラにとっての優良顧客と謂えよう。ベネズエラは今後もシリアを擁護し続けるだろう。
ベネズエラでの反米機運の盛り上がりは、深刻なインフレで鬱積した国民の不満を外に分散させるのに十分に役立つだろう。現にマドゥロ大統領はメディア上でせっせと“反米・反イスラエル”を煽り立てている。(「シリア軍事攻撃を防げ」ベネズエラのマドゥロ大統領 - YouTube 2013/08/30)
“反米左翼”というのは、自らの主張を実現するための具体的なことを実行せず、現状を批判するだけの只のガス抜き組織に過ぎないわけだが、不幸なことにベネズエラの政治は其の様な残念な勢力に運営されているのである。カリスマ的存在だったチャベスが亡くなった今、同政権の人心掌握は更に困難なものになると思われる。
まぁ、日本の反米左翼も所詮は其の程度である。“核の傘”の下で保護された経済を批判する一方で、其の経済の恩恵にはしっかり与るという自己矛盾性は、駄々を捏ねて親を困らせる幼児の其れと何ら変わらない。所詮は「米国が嫌いだから生活物資をロシアから輸入する」という程度の物である。自給自足の生活を営んでいるのなら話は別だが、所詮は他者に頼るだけの「生活保護者」と何ら変わらない。彼等の多くは自らの怠惰な生活が他人の犠牲で成り立っていることを知らない。
一寸(ちょっと)話が逸れてしまったが、ベネズエラの掲げる反米もそう長くは続くまい。ベネズエラ国民は政府の方針に反して自由な経済を求めているからである。輸入に頼る生活が当たり前になってしまった国民は、“官製反米イデオロギー”なんぞよりも今日食べる“ジャンクフード”の方が大切なのである。
今ベネズエラで反政府デモに火が付けば、其の火勢は一気に拡大するだろう。
【関連リンク】
生活必需品が不足しているベネズエラでトイレットペーパー5千万ロールの輸入を発表したとのことだが。 (2013年5月17日金曜日)
貧富の差が拡大し、人種差別も蔓延するなど、貧困層の不満が鬱積しているベネズエラは近い将来、チャベス流の社会主義イデオロギーを捨てざるを得なくなるだろう。
豊富な石油資源に胡座をかき、国民の不満の根本的解決から逃げ続けてきた社会主義国家の行き着く先は、多国籍企業に依存したグローバル資本主義経済の導入なのである。国家が多国籍企業を批判する一方で、国民は輸入品に依存した生活を希望し、米ドルを求めているという現実こそが正に其の証左だ。ベネズエラ国民は無意識的にグローバル資本主義の導入を要求しているのである。
ベネズエラ大統領選でチャベス後継者のニコラス・マドゥロが僅差で勝利。得票率に仄見えるベネズエラ社会主義体制の脆弱化。 (2013年4月15日月曜日)
ベネズエラのチャベス大統領が骨髄癌で死亡。カリスマを失ったベネズエラは多国籍企業による政権乗っ取りを阻止出来るか。 (2013年3月6日水曜日)
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