為替操作禁止の明記を要請…米上院、TPP交渉 - 2013年9月25日15時30分 読売新聞
【ワシントン=安江邦彦】環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡り、米上院の超党派議員60人が24日、米財務省と米通商代表部(USTR)に、交渉参加国が自国通貨を輸出に有利なように安く誘導する為替操作を禁じることを明記するよう求める書簡を送った。
書簡は米民間研究機関ピーターソン国際経済研究所の報告をもとに、「米国は外国による為替相場の操作で100万~500万人の雇用を失っている」と試算。参加国の為替操作を禁じなければ、米経済の将来に悪影響を及ぼす、と指摘した。
今年6月にも米下院議員230人が同様の書簡をオバマ大統領に送っている。
これについて国内マスコミの多くは日本の自動車産業を警戒しての行動だと見做しているようだが、実際は中国のTPP交渉参加の可能性を警戒してのものだろう。
というのも、同議員団は今年6月(2013年6月)にも、中国の習近平国家主席の訪米に合わせて中国の為替操作に対応するための法案を明らかにしているからである。
米上院の超党派議員団、中国の為替操作に対応するための法案公表 - ロイター 2013年 06月 6日 09:03 JST
[ワシントン 5日 ロイター] - 米上院の超党派の議員グループは5日、為替操作に対応するための法案を明らかにした。オバマ大統領は中国の習近平国家主席との非公式会談を目前に控え、特に中国を意識したもの。
これと似た対中為替制裁法案を下院と上院がそれぞれ、2010年と2011年に可決したものの、最終的に立法化されなかった経緯がある。
それに日本は以前から、金融緩和策では“外債購入”という事実上の為替操作を行わないことを明言している。“外債購入”を行わないで円安に誘導するということは、即ち“輸入を増やす”ということであり、これには米国も文句は無い筈である。
残念ながら、TPP交渉が更に長引くことを懸念するオバマ政権は、同議員団の要求には消極姿勢なようである。
だが、中国のTPP参加の可能性がゼロではない以上、為替操作に関するルールだけは今のうちに盛り込んで置く必要が在ろう。
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