個人の主義主張とは別に、反対であれ、賛成であれ公正な議論こそが重要であると考えているが、今回の消費税の集中点検会合の人選はあまりにも偏向しすぎではないか。特に最終日の8月31日の第2回目の経済・金融の有識者の会合のメンバーに、増税そのものへの反対を明確に唱える人は1人もいなかった。
消費税は売り上げにかかるために赤字の企業でも支払いの義務が生じるが、「赤字企業が法人税を支払わなくて済むことは、その企業にとっても経済全体にとっても有効である。たとえどんなに効率的で革新的な新規ビジネスであっても、収益構造が確立するまではある程度の時間がかかる」とし、さらに仮に、赤字の繰り越し機能付きの法人税をなくし付加価値税を導入するほうが、付加価値税なしで高い法人税を設定するよりも企業を助けるという前提について「これでは急激な景気後退局面では、たとえ効率的な企業であったとしても、単に一般需要が落ち込んだという理由だけで多くの企業が赤字企業となってしまう」と記す。
新しい挑戦の芽を潰すことはしない、それが消費税・付加価値税採用を見送り、法人税に依存する理由とするのはいかにも米国らしいではないか。
消費税増税が個人消費を冷え込ませてアベノミクスを失敗させる原因となることは言うまでもないが、それだけでなく、将来の日本経済の芽を摘むことにもなりかねないのである。芽を摘まれてしまうのは、何も有望な国内電子書籍産業だけでは無いのである。
仮令(たとえ)消費税が増税されても、国内自動車産業などの輸出企業は“戻し税”という事実上の補助金で守られる。
だが一方で、国内の下請け中小企業や日本の将来を支えるかも知れないベンチャー企業には何の支援も無い。それどころか消費税増税が彼等の“経営の重し”にさえなるのである。
消費税増税を要求する“官僚・大企業”、対して、消費税増税に反対する“中小零細・ベンチャー・個人”。今の日本で最終的にどちらの勢力が政界工作で勝利するかは、残念ながら容易に想像が付くだろう。
だが、日本経済を強くして米国と渡り合える国に生まれ変わらせるためには、後者を育てないことには何も始まらない。何も補助金で甘やかす必要は無い。消費税などという、迷惑な“障害”を取っ払ってやるだけで良いのである。
アベノミクス成功の鍵は、関税障壁の除去だけでは無い。中小零細・ベンチャー企業にとっての成長障壁(税や規制など)を除去することも重要なのである。
【関連リンク】
2013年9月1日日曜日
「増税」、「緊縮財政」、「脱原発」、「尖閣棚上げ論」を唱える公明党の背後。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/09/sgi-the-puppet-of-chinese-communist-party.html
2013年8月10日土曜日
国内電子書籍企業の芽を摘む消費税増税。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/08/blog-post_10.html
2013年7月26日金曜日
何故か野党の心配をする谷垣法相。アベノミクスに否定的な緊縮派の取り込みを画策か。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/07/blog-post_987.html
2013年7月8日月曜日
自民党支持者でさえも反対する「消費税増税」。
http://surouninja.blogspot.jp/2013/07/blog-post_5385.html
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