2013年9月5日木曜日

トルクメニスタンからの天然ガス・パイプラインの確保に急ぐ中国・習近平国家主席。

https://surouninja.blogspot.com/2013/09/xi-jinping-rushing-to-secure-the-gas-pipeline-from-turkmenistan.html
中国共産党の習近平国家主席が3日(2013年9月3日)から2日間、トルクメニスタンを訪問してベルドイムハメドフ大統領と会談し、世界第4位の埋蔵量を誇るトルクメニスタンの天然ガスを中国に輸入するためのパイプライン(CAGPパイプライン)の増設を急ぐことで合意したとのことである。

更に習主席は此の後、CAGPパイプラインの経由地でもあるカザフスタンやウズベキスタン等も訪問する予定とのことで、中国が天然ガスの供給元確保を急いでいることが仄見える。


9月5日 9時40分 NHK
中国「約10万人が習主席歓迎」と報道
中国の習近平国家主席は、今月3日から4日までトルクメニスタンを訪問してベルドイムハメドフ大統領と会談し、世界第4位の埋蔵量があるトルクメニスタンの天然ガスを中国に輸入するためのパイプラインの増設を急ぐことで合意しました。
習主席は、このあと産油国のカザフスタンや天然ガス産出国のウズベキスタンなども訪問する予定で中国は積極的な資源外交を推し進めています。

トルクメニスタン基礎データ - 外務省
 独立以降一貫して自ら「積極的中立」と呼ぶ独立の外交方針を標榜し、国連以外の多国間機構への参加については、中央アジア地域内の諸機構も含めて積極的ではない。1992年5月には、CISの集団安全保障条約への署名を拒否。2005 年のCIS首脳会合においてCIS正加盟国から「準加盟国」となった。なお、1995 年12月の国連総会では、同国の「永世中立国」としての地位が認められている。
 最重要の資源である天然ガスについては、従来より結びつきの強いロシアとの関係に配慮しつつも、輸送ルートの多角化を目指している。特に近年は、中国への天然ガス輸出を急増させている。

2012/06/01 01:22
トルクメニスタンの天然ガスパイプラインは? - 教えて!goo
トルクメニスタンからイランへのパイプラインは1995年に両国間で建設する事が調印され1997年に完成しています。
このパイプラインでは現在120億立方メートルのガスが輸出されていますが、来年には140億立方メートルに拡張される予定です。

トルクメニスタンからアフガニスタン、パキスタンへのパイプラインはさらにインドへと繋がるTAPIパイプラインとして建設される事が2010年12月に政府間の枠組みで合意、調印され、現在、幾つかの企業とも契約が交わされ、どんどん建設に向けて準備が進んでいる状況です。
これまではアフガニスタンが酷い紛争状態だったためパイプラインの話は足踏み状態でしたが、ようやく動き出した模様です。
また、実現するかどうかは分かりませんが、このTAPIパイプラインをウズベキスタンやカザフスタンに繋げようという話も出ている模様です。

トルクメニスタンと中国を繋ぐパイプラインも2009年に完成しています。こちらはウズベキスタンカザフスタンを経由して繋がっておりCAGPパイプラインと呼ばれています。現在このパイプラインは300億立方メートルの輸出能力ですが、2014年には400億立方メートルまで輸出能力は拡張される予定です。

2009.12.24 Thursday 18:08
トルクメニスタン-中国天然ガスパイプライン開通の意味するもの - 浅井久仁臣 グラフィティ
このトルクメニスタン、その豊富な天然資源故に世界の一大事を引き起こす原因となったことは、さらに知られていない。

 なんじゃそりゃ?と思われるかも知らないが、実は、「911同時多発テロ」をきっかけに始まった対アフガン戦争の大きな要因となったのがこの国の存在だ。

 91年のソ連邦からの独立に乗じてこの国の天然ガス埋蔵量にオイル・メイジャー(ユダヤ資本を含む)と米政府が目をつけた。様々な人脈を通じてアメリカはニヤゾフ政権への接近を図った。そして、一時はアフガニスタンを経由してパキスタンの港に結ぶパイプラインを通す合意を当時のタリバーン政権から取り付けたのだ。ただその後の関係悪化によりその計画はご破算になってしまった。

 そこへ2001年9月11日、同時多発テロが起きた。ブッシュ政権はそれに乗じて1ヵ月も経たない内にアフガニスタンへの空爆を開始、そして11月13日に首都カーブルを占領した。
 “幸か不幸か”米軍はタリバーン勢力の執拗な反攻に手を焼き、アフガニスタンの平定をしてトルクメニスタンからパイプラインを敷こうとしたブッシュ政権の野望はついえた。

 それにほくそえんでいたのが、中国であった。急速の経済成長に必需であるエネルギー確保をオイル・メイジャーや米政府の邪魔が入ることなく実現できるのだから喜ぶのは当然だ。

21.09.2012, 10:39
米国の狙いはカザフに「リビアのシナリオ」辿らせること - ロシアの声
近い将来、カザフスタンで、昨年10月末にリビアで起きたことを思わせるような、一連の出来事が起りはじめる。識者たちのこうした予測の根拠となっているのは、カザフスタン当局が英国のトニー・ブレア前首相を経済顧問に招いたという事実である。
カザフにおける多くの若者組織が、「親中派」カリム・マクシモフ首相に対し、またカザフスタンの関税同盟入りに対して抗議の声を上げている。
若者たちの運動を組織しているのは他ならぬ米国である

トルクメニスタン産の天然ガスが、ウズベキスタンカザフスタンを経由して中国へと運ばれるわけだが(CAGPパイプライン)、若者を中心に親米国家へとシフトしつつ在るカザフスタンは今後、中国のガスパイプラインにとってのボトルネックとなる可能性は高そうである。

だからこそ中国は今後、カザフスタンの政権に取り入ることに外交資源を集中させるのではないかと見ている。其れにより、カザフスタンの政治と経済はカザフの若者達の意思とは裏腹に“親中化”するかも知れない。

勿論、そうなれば米英も黙っては居ないだろう。カザフスタンの親中化を阻止すべく、都市部の若者を扇動し、反政府デモに火を点ける可能性も十分に考えらる。

世界の経済大国は、来る水素社会の主導権を獲得すべく、今後も暫くは世界的な天然ガス争奪戦を続けるのではないかと俺は予想している。シリアでの紛争も其の一環である可能性は高そうである。

2013年9月3日火曜日
低迷する天然ガス価格の高騰トリガーとなるトルコ。

2013年8月29日木曜日
米露ガスパイプライン主導権争いの場としてのシリアとトルコ。

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